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【プレイログ】富豪密室殺人事件
#代行屋・砂月
作:
袖の月
様
「密室殺人事件?」
「ええ」
「我々も出来得る限り調査したのですが」
「行き詰ってしまいましてね……」
「そこで代行屋・砂月さんにお願いしようと思いまして」
「引き受けてくださいますか?」
「よーーし!!」
「このファイちゃんに任せなさ~い!」
「わしらにかかれば瞬時に解決じゃ!」
「勝手に決めんな」
「まあ……ノワールとアイリスがなんとかしてくれるだろ」
「適当だね……」
「構いませんよ」
「報酬はたんまりいただきますから」
「うぐ……」
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・
・
代行屋・砂月の面々は現場に駆け付ける。
確かに部屋には鍵がかかっており、中には部屋の主である被害者が倒れている。
「どう見ても密室だな……」
「アリバイも一通り聞いたが」
「誰もが怪しく見えるもんじゃのぉ」
「うーん、二人に解けるのかなあ……」
「わかったぞ」
「え!?も、もう!?」
「ええ、私もわかりました」
「代行屋・砂月、ちょっと優秀すぎるな」
「探偵業に変えるか」
・
・
・
ホールに一同が会する。
容疑者や警察たちはざわめき、落ち着きがない様子だ。
「は、犯人がわかったのか!?」
「言っておくが俺じゃないぞ!」
「なにを言ってるんだ、ずっと怪しい挙動してたのを見逃さなかったぞ!」
「は、早くこの悪夢を終わらせてくださいまし!」
動揺する容疑者たちを警察は宥めつつ、ノワールは咳払いをする。
「まずは死因の解説だ」
「死因は刺殺。これは間違いないな?」
「え、ええ」
「ですが部屋は密室……。誰も立ち入れません」
「お話によれば被害者の方は普段から警戒心の強い方だったそうで」
「ですが、その被害者の方が唯一警戒を解く存在がいた」
「普段は用心深く掛ける鍵を開く相手」
「ま、まさか……!」
「そう、犯人はあなただ」
「家政婦さん」
「……!!」
「な、なんだってー!?」
「ええーッ!?!?」
「な、なんですってェーッ!?」
※奥さん
「し、信じられない!!」
※愛人
「そ、そんなーー!!」
※顧問弁護士
「グエー!?」
※秘書
「アバババーーー!?!?」
※息子
「なにこれ」
「静かに聞けんのか」
「た……」
「確かに旦那様は私によくしてくださいました」
「で、ですが証拠は!?あなたの勝手な憶測でしょう!」
「血の匂いが隠せてないぞ」
「は、はあ……っ!?」
「失礼」
アイリスは家政婦の利き腕を取り、そっと黒い手袋を外す。
「……!!」
家政婦の表情が青くなる。
彼女の利き手は赤い血で染まっていた。
「一応DNAの検査もしておけ」
「被害者のものだと出れば確定だろう」
「は、はいっ!」
「まさか……!本当に解決されるとは」
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「す、すご~……」
「ま、こんなものですかね」
「さすがじゃのぉ~!今夜は祝杯じゃ!」
「なんで殺しちゃったんだろう、あの家政婦さん」
「被害者は彼女の父親の金を搾取していたらしい」
「金に困った父親は自殺」
「母親も、父を追うようにこの世を去ったらしい」
「彼女は復讐のために家政婦として働くようになった」
「……搾取した男の娘に警戒心解くなんざ」
「皮肉なもんだな」
「仕事だからな、あとはあんたらに任せるよ」
「はい、ご協力ありがとうございました」
「報酬はこちらになります」
「あいよ」
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事件を解決した代行屋・砂月は、その後すき焼きパーティーをしたとかなんとか。
ソロジャーナル
2025.9.25
No.41
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作:袖の月様
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代行屋・砂月の面々は現場に駆け付ける。
確かに部屋には鍵がかかっており、中には部屋の主である被害者が倒れている。
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ホールに一同が会する。
容疑者や警察たちはざわめき、落ち着きがない様子だ。
動揺する容疑者たちを警察は宥めつつ、ノワールは咳払いをする。
アイリスは家政婦の利き腕を取り、そっと黒い手袋を外す。
家政婦の表情が青くなる。
彼女の利き手は赤い血で染まっていた。
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事件を解決した代行屋・砂月は、その後すき焼きパーティーをしたとかなんとか。