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恋は取引材料
#短編
「恋はひとを馬鹿にする」。
地球を侵略する悪の集団、その悪の幹部が、正義のヒーローに恋をしてしまった!
仲間からは「ヒーローを悪に引き込めばいい」とアドバイスを貰い、さっそく実行に移すのだったが……?
引用
恋は盲目 Wikipedia
恋は盲目。誰もが知っている格言だ。
元はウィリアム・シェイクスピアのヴェニスの商人という話から生まれた言葉であり、他のもの、選択肢が見えなくなってしまうほど理性的な判断ができなくなってしまうという意味だ。
要するに、恋はひとを馬鹿にするのだ。
まったくもって理解し難い感情だ。
まったくもって。
う~ん。
ほんとに。
【カオル】
「なのに!!」
【カオル】
「どうしてボクはあんなヤツに恋をしてしまったんだぁ~~っ!!」
【ランカ】
「…………」
【ランカ】
「またひとりで喚いてるの?」
「うるさいから静かにしてほしいんだけどぉ~」
【カオル】
「ルゥァアンカ!!貴様にはわかるまい!!」
「この苦しみが……!!この自己嫌悪が!!」
【カオル】
「悪の幹部が正義のヒーローに恋ィィ!?」
「ありえない!!脳のバグ!!ヤダーッ!!」
【ランカ】
「あ~うるさいわね~」
「確かに大問題だけど、仕事さえしてくれたら言うことは無……」
【ランカ】
「……思いついた!」
【ランカ】
「そいつをこっちに引きずり込めばいいのよ!」
【カオル】
「えっ?」
【ランカ】
「正義のヒーローを言いくるめて、正義から悪に引き込んじゃえば」
「壁もなくなるし、アンタとそいつは一緒にいれてハッピーってことよ♡」
【カオル】
「な、なるほど……!確かに!」
【カオル】
「フンッ、たまには役に立つな貴様」
【ランカ】
「殴るぞ」
☆☆☆
【警報】
『警報!警報!』
『△△広場に怪人出現!!』
『ただちに向かわれよ!』
【
烈火
(
れっか
)
】
「おっ、仕事の時間だぜ、小津!」
【
小津
(
おづ
)
】
「はいはい、今日もやってやりますか」
【カオル】
「う~ん、緊張してきた」
【ランカ】
「こういうのは度胸よ!!」
「っていうかいつも鬱陶しいくらい自信過剰なナルシストなのに」
「急にしおらしくなっちゃって、らしくないわねえ」
【カオル】
「ボ、ボクだって緊張くらいする!」
【カオル】
「で、でも自信は必要だ……!そ、そうだよ、ボクの美しさがあれば彼の心なんてイチコロ」
【烈火】
「おまえたちの悪行はそこまでだ!!」
【カオル】
「ぎゃーーーー!!!!」
【烈火】
「えっ?」
【烈火】
「俺、そんなに声デカかった?」
【小津】
「いやそうでもないと思うけど」
【カオル】
「あわ……っ、あわ、あわあわあわ……」
【ランカ】
「ちょっと、本命が現れたんだからしっかりなさいよ!」
【ランカ】
「ほらっ、行きなさい!」
【カオル】
「ちょっ、押さないで……うわあ!」
【カオル】
「あっ、え~~~~……っと」
【烈火】
「?」
【カオル】
「いや、その……」
「い、いい天気だよな」
【ランカ】
「てめえ!!!!!!」
【烈火】
「???」
「あ、ああ。うん。確かに雲一つない空だよな」
【小津】
「待って、ヤツらの作戦に乗っちゃ駄目だ烈火!」
「おそらくなんらかの時間稼ぎだよ!!」
【烈火】
「えっ!?」
【怪人たち】
「カオルさま!ファイトー!」
「がんばれーっ!」
「応援してますよ~!」
【烈火】
「いや……なんか、なんもしてないっぽいけど」
【小津】
「?????」
【ランカ】
「ちょっとあんた」グイッ
【小津】
「な、なに!?なにが狙い!?」
【ランカ】
「シーッ!」
「……実はあの子、あんたのとこのリーダーに恋してるみたいなの」コソコソ
【小津】
「は????」
【ランカ】
「どーせ玉砕するでしょうけど、束の間の恋愛ぐらい楽しませてあげてよ」
「アタシたちは敵同士、あの子にもそれをわからせてあげるチャンスよ」
【小津】
「……なるほど、応援しているようで本当はどうせ敵わぬ恋だと見下しているんだ」
「性格悪いね」
【ランカ】
「悪の幹部には褒め言葉よ♡」
【烈火】
「よくわかんねえけど、なんでずっとソワソワしてんだ?」
【カオル】
「あっ、え~っと、その……」
「ほ、ほら!久しぶりに顔を……その……」
「見れて……え~っと……」
【烈火】
「……そういえば会ったの久しぶりだな?」
【カオル】
「そ、そう!そうそう、久しぶり……」
【小津】
「なに見せられてる?????」
【ランカ】
「普通に空気が甘くなっててまずいわ」
【ランカ】
「まあ、成功したら成功したで」
「アンタのリーダーをこっちに引き込めるってワケ♡」
【小津】
「なんだって……!?」
「……」
【小津】
「……あのさ」
【小津】
「そっちが俺たちのところに来たらどうするの?」
【ランカ】
「ヤバい!!玉砕しろ!!玉砕しろー!!」
【小津】
「そっちは考えてなかったんだ……」
【カオル】
「あの……」
「ボ、ボクのこと、どう思ってる……?」
【烈火】
「どうって、そりゃ地球を襲う悪の幹部で――」
【カオル】
「そ、そうだけど!幹部のこと抜きに、ボク個人のこと!」
【烈火】
「おまえのこと?」
【カオル】
「た、例えばボクは、おまえのこと……」
「つ、強くて……その、顔も悪くないし?」
「ボクの隣に立つなら、り、理想的だよねえ!」
【怪人たち】
「ヒューーーーッッ♪♪」
【ランカ】
「ギョエ~~~~~ッ!!」
【小津】
「どうなるんだこれ」
【烈火】
「う~ん」
「俺もおまえのことは強くて、あと気高くてなにがあっても諦めなくて」
【カオル】
「ワワワワワ」
【烈火】
「どんな姿の自分が一番輝くかわかってて、自分磨きもしてて」
「敵ながらすげえって思ってるぜ!」
【カオル】
「エ、エエェッ エッ アッ ワッ」
【カオル】
「キャァ~~~~~~~~~~~」
【小津】
「あっ、倒れた」
【ランカ】
「あ、あっはっは~~~!!」
「力を行使せずとも我々を追い詰めるとは!さすがね!!」
【烈火】
「えっ?あ、どうも」
【ランカ】
「今日はこれくらいで勘弁してあげるわ~~!アンタたち!撤収よ~~!」
【怪人たち】
「は~い」
「次くらいで告白できるかなあ」
「みんなでお祝いしようね~」
【烈火】
「…………なんだったんだ?」
【小津】
「……さあね~……」
おわり
一次創作
2025.12.27
No.55
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「恋はひとを馬鹿にする」。
地球を侵略する悪の集団、その悪の幹部が、正義のヒーローに恋をしてしまった!
仲間からは「ヒーローを悪に引き込めばいい」とアドバイスを貰い、さっそく実行に移すのだったが……?
恋は盲目。誰もが知っている格言だ。
元はウィリアム・シェイクスピアのヴェニスの商人という話から生まれた言葉であり、他のもの、選択肢が見えなくなってしまうほど理性的な判断ができなくなってしまうという意味だ。
要するに、恋はひとを馬鹿にするのだ。
まったくもって理解し難い感情だ。
まったくもって。
う~ん。
ほんとに。
「なのに!!」
「どうしてボクはあんなヤツに恋をしてしまったんだぁ~~っ!!」
「…………」
「またひとりで喚いてるの?」
「うるさいから静かにしてほしいんだけどぉ~」
「ルゥァアンカ!!貴様にはわかるまい!!」
「この苦しみが……!!この自己嫌悪が!!」
「悪の幹部が正義のヒーローに恋ィィ!?」
「ありえない!!脳のバグ!!ヤダーッ!!」
「あ~うるさいわね~」
「確かに大問題だけど、仕事さえしてくれたら言うことは無……」
「……思いついた!」
「そいつをこっちに引きずり込めばいいのよ!」
「えっ?」
「正義のヒーローを言いくるめて、正義から悪に引き込んじゃえば」
「壁もなくなるし、アンタとそいつは一緒にいれてハッピーってことよ♡」
「な、なるほど……!確かに!」
「フンッ、たまには役に立つな貴様」
「殴るぞ」
☆☆☆
『警報!警報!』
『△△広場に怪人出現!!』
『ただちに向かわれよ!』
「おっ、仕事の時間だぜ、小津!」
「はいはい、今日もやってやりますか」
「う~ん、緊張してきた」
「こういうのは度胸よ!!」
「っていうかいつも鬱陶しいくらい自信過剰なナルシストなのに」
「急にしおらしくなっちゃって、らしくないわねえ」
「ボ、ボクだって緊張くらいする!」
「で、でも自信は必要だ……!そ、そうだよ、ボクの美しさがあれば彼の心なんてイチコロ」
「おまえたちの悪行はそこまでだ!!」
「ぎゃーーーー!!!!」
「えっ?」
「俺、そんなに声デカかった?」
「いやそうでもないと思うけど」
「あわ……っ、あわ、あわあわあわ……」
「ちょっと、本命が現れたんだからしっかりなさいよ!」
「ほらっ、行きなさい!」
「ちょっ、押さないで……うわあ!」
「あっ、え~~~~……っと」
「?」
「いや、その……」
「い、いい天気だよな」
「てめえ!!!!!!」
「???」
「あ、ああ。うん。確かに雲一つない空だよな」
「待って、ヤツらの作戦に乗っちゃ駄目だ烈火!」
「おそらくなんらかの時間稼ぎだよ!!」
「えっ!?」
「カオルさま!ファイトー!」
「がんばれーっ!」
「応援してますよ~!」
「いや……なんか、なんもしてないっぽいけど」
「?????」
「ちょっとあんた」グイッ
「な、なに!?なにが狙い!?」
「シーッ!」
「……実はあの子、あんたのとこのリーダーに恋してるみたいなの」コソコソ
「は????」
「どーせ玉砕するでしょうけど、束の間の恋愛ぐらい楽しませてあげてよ」
「アタシたちは敵同士、あの子にもそれをわからせてあげるチャンスよ」
「……なるほど、応援しているようで本当はどうせ敵わぬ恋だと見下しているんだ」
「性格悪いね」
「悪の幹部には褒め言葉よ♡」
「よくわかんねえけど、なんでずっとソワソワしてんだ?」
「あっ、え~っと、その……」
「ほ、ほら!久しぶりに顔を……その……」
「見れて……え~っと……」
「……そういえば会ったの久しぶりだな?」
「そ、そう!そうそう、久しぶり……」
「なに見せられてる?????」
「普通に空気が甘くなっててまずいわ」
「まあ、成功したら成功したで」
「アンタのリーダーをこっちに引き込めるってワケ♡」
「なんだって……!?」
「……」
「……あのさ」
「そっちが俺たちのところに来たらどうするの?」
「ヤバい!!玉砕しろ!!玉砕しろー!!」
「そっちは考えてなかったんだ……」
「あの……」
「ボ、ボクのこと、どう思ってる……?」
「どうって、そりゃ地球を襲う悪の幹部で――」
「そ、そうだけど!幹部のこと抜きに、ボク個人のこと!」
「おまえのこと?」
「た、例えばボクは、おまえのこと……」
「つ、強くて……その、顔も悪くないし?」
「ボクの隣に立つなら、り、理想的だよねえ!」
「ヒューーーーッッ♪♪」
「ギョエ~~~~~ッ!!」
「どうなるんだこれ」
「う~ん」
「俺もおまえのことは強くて、あと気高くてなにがあっても諦めなくて」
「ワワワワワ」
「どんな姿の自分が一番輝くかわかってて、自分磨きもしてて」
「敵ながらすげえって思ってるぜ!」
「エ、エエェッ エッ アッ ワッ」
「キャァ~~~~~~~~~~~」
「あっ、倒れた」
「あ、あっはっは~~~!!」
「力を行使せずとも我々を追い詰めるとは!さすがね!!」
「えっ?あ、どうも」
「今日はこれくらいで勘弁してあげるわ~~!アンタたち!撤収よ~~!」
「は~い」
「次くらいで告白できるかなあ」
「みんなでお祝いしようね~」
「…………なんだったんだ?」
「……さあね~……」
おわり