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No.39
アンドロメダは恋したい 本文
あなたは目を覚ます。
小鳥のさえずる声。眩しい朝日がカーテンから差し込み、暖かい布団があなたを夢へと引き留めようとする。
KPC「おはようございます、PC様」
(※KP情報:KPCの口調は適宜改変してヨシ!)
微睡むあなたに冷水を浴びせるがごとくの衝撃。
目を覚まして飛び起きれば、そこには穏やかな笑みを浮かべているKPCがいた。
(※KP情報:ここでは同居していない想定の描写をしているが、同居している場合は適宜改変してください。)
そして飛び起きたあなたは気づき、自然と周囲を見渡す。
そこはあなたのよく知っている住み慣れた自室ではなく、豪奢なお屋敷だったのだ!
白いレースのカーテン、普段使っているものよりも何倍もふわふわのベッド、そして絢爛豪華な家具……。
そしてなによりも、まるで中世ヨーロッパの兵隊のような恰好をしたKPCが、ベッドの脇に立っていた。
突如として異世界に放り込まれたような状況は、あなたを混乱に落とす。SANc 0/1
KPC「どうしたんですか?そんなに驚いた顔をして」
【質疑応答例】
・なにここ!?
KPC「なにって……、あなたの家でしょう」
・なにその恰好!?
KPC「?……なにか変ですか?」
(しばらくRPをしたら)
KPC「朝ごはんができております、食堂へ行きましょう」
KPC「まだ眠たいと仰るのであれば、お姫様抱っこでもして連れて行きましょうか?」
少し悪戯っぽい笑みを浮かべたKPCは、「冗談」と言うと今日の着替えと言ってあなたの衣服を用意する。
やはりあなたにとっては着慣れない、質の良い衣服だ。
・似合ってる?
KPC「似合ってるよ。世界一綺麗」
▶食堂へ行く
使用人「おはようございます、PC様」
すれ違う全く知らない人たちがあなたに向けて頭を下げる。
それは男性の使用人や、メイド服に身を通した女性。あるいは執事らしき風貌の老人だったり、そのどれもがまるで異世界のようだった。
あなたはKPCに連れられ食堂へ入る。
用意された食事はホテルで用意される朝食のようで、一瞬あなたは「そうか、これはホテルなのかもしれない。自分はホテルに泊まりに来たのかも。な~んだそっか」と思うかもしれないがホテルに泊まった記憶は一切ない。前日はいつも通りベッドで寝たはずだ。
食事を取るのであれば、作り立ての仄かに暖かく、甘いクロワッサンの味や、野菜スープの旨味が口の中に広がる。SAN+1
▶食べ終わる
空になった食器を使用人が運んでいく。
どうやら自由に行動しても問題なさそうだ。あなたがどこかへ行くというのであれば、KPCは護衛としてついていくと言う。
[探索箇所]図書室
▶図書室
学校にあるものほど広くはないが、それでもたくさんの本が置かれている図書室だ。
掃除が行き届いているようで、埃っぽくない。
<目星>or<図書館>
成功→一冊の本が目に入る。タイトルは掠れて読めないが、絵画の画集らしい。ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ハムレット」の登場人物、オフィーリアが描かれたものが目に入る。オフィーリアは水に沈み亡くなったが、その死の表現が文学の中で最も詩的に書かれたものとして賞賛された。
失敗→どの本もタイトルが掠れていたりで古いもののようだ。ふと飛び出している一冊の本が目に入り、それを取り出す。相変わらずそれもタイトルが掠れて読めないが、絵画の画集らしい。ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ハムレット」の登場人物、オフィーリアが描かれたものが目に入る。オフィーリアは水に沈み亡くなったが、その死の表現が文学の中で最も詩的に書かれたものとして賞賛された。
更に<目星>or<図書館>
成功→「ハムレット」第4幕第7場で王妃ガートルードのセリフが記載されている。
「すてきな花輪を、垂れた枝にかけようと、柳によじ登ったとたん、意地の悪い枝が折れ、花輪もろとも、まっさかさまに、涙の川に落ちました。裾が大きく広がって、人魚のようにしばらく体を浮かせて―――そのあいだ、あの子は古い小唄を口ずさみ、自分の不幸が分からぬ様子―――まるで水の中で暮らす妖精のように。でも、それも長くは続かず、服が水を吸って重くなり、哀れ、あの子を美しい歌から、泥まみれの死の底へ引きずり下ろしたのです。」
(※KP情報:オフィーリア(絵画)/Wikipediaより引用)
失敗→KPCがガートルードのセリフを読み上げる。
<アイデア>
成功→数週間前、あなたの住んでいる地域に酷い雷雨がおきていたことを思い出す。
▶探索終了
<聞き耳>
成功→窓をなにかが叩く音がする。どうやら雨が降ってきたようで、ぽつぽつとした音からすぐに土砂降りの雨が降り、隠れた太陽のせいで窓の外が暗くなる。
失敗→KPC「雨だ」
KPCの声に反応し窓を見れば、外はすっかり土砂降りになっていた。
その時だ、突如として窓がバタンと音を出して開く。
強風が吹き荒れ、あなたは思わず目を閉じる。そして、体がふわりと軽くなった。
KPC「PC!!」
KPCの叫び声にあなたは目を開ける。
なんということだろうか、あなたは空を飛んで、窓の外へ出ていた。
風に攫われながらもあなたはKPCに手を伸ばしたかもしれない。KPCもあなたに手を伸ばす。しかしその手が届く前に、あなたは意識を失った。
▶夢の中
それは酷い雷雨だった。
帰りに土砂降りの雨と強風に襲われたあなたは、もうすっかり濡れた衣服と髪を煩わしそうに振り払いながらも帰路についている。
その時、誰かの声が聞こえた。
周囲を見れば、大雨で氾濫した池の中になにかがいた。
それは助けを求めている――、人だ。人が溺れている。
とにもかくにも、あなたは助けに行ったのだ。それを憶えている。
あなたはその池に向かいながら、何故かKPCのことを思い出していた。
気のせいだったかもしれない、しかしその時何故かあなたの耳元に歌が聞こえて来た。
さようなら、さようなら。
あなたは、死ななきゃならないのよ。
▶地下鉄
目を覚ます。最初にどぶ臭い匂いが鼻を突き、その次に硬く冷たい床の感触が脳を混乱させる。
周囲を見渡せば、そこはうす暗い地下鉄のような場所だった。車掌の恰好をした男性があなたに近づき、声をかける。
車掌「あのぅ、すみません。切符はお持ちですか?」
・切符を探す/切符?
あなたは雨に打たれて濡れた衣服のポケットに違和感があることに気付く。
取り出せば、そこは行き先の書かれていない緑色の紙があった。
車掌「ヘンですねえ、行き先が書かれていない」
車掌「まあ、切符を持っているのであればとやかく言うこともないです。どうぞ、電車に乗ってください」
[探索箇所]車掌、駅、電車
▶車掌
よく見れば帽子の上にねずみのような耳が生えている。
・この耳は?
車掌「自前ですよ、わたくしねずみなんです」
車掌「地下鉄はねえ、あんまり利用する人はいないんですよ」
車掌「なんてったってねずみはねずみでもどぶねずみですから、ここ臭いんですねえ」
▶駅
<目星>
成功→ポスターが貼ってある。
「水の事故に気を付けて!」
失敗→ポスターの前に人が座っていて中間の文字がよく見えないが「水―――に気を付けて!」と書かれているようだ。
▶電車
(KP情報:上記の探索を全て終えると電車が発車する。それまでは動かない)
アナウンス「えー、この電車は天の川。天の川行きです。発車致しますので扉にご注意ください」
空気が抜けるような音と共に扉が閉まり、ガタンと車体が揺れる。
次第にそれはゆっくりと前に進んでいった。
アナウンスは天の川行きと言っていたが、あなたの切符には行先が書かれていない。どこで降りようか。
ふと窓の外から青白い光が差し込む。
窓を見れば、そこは無数の星が煌めく銀河だった。
電車は銀河を飛び回っている、あまりにも非現実的な光景。
あなたは不思議とそこに恐怖を感じなかった。しかし、この光景をKPCと共に見れていないことに寂しさを覚えるかもしれない。
アナウンス「次はー、暖炉の前。暖炉の前ー」
停車し、扉が開く。
どこかの家の暖炉の前だ。しかし火はついておらず、焼け焦げた木と灰だけが目の前にある。
KPC「すみません、乗ります!」
聞き慣れた声がしたかと思えば、大慌てでKPCが乗り込んできた。
KPC「PC……!よかった、やっと見つけた!」
KPC「あれからいっぱい探し回ったんだ、こんなところにいたのか」
KPC「この電車、何行きなんだ?」
・天の川だって
KPC「天の川……」
(KP情報:このまま行ったらPCが死ぬことを知っているので言葉に詰まっている)
KPC「あの、PC……、ここで降りて歩きで帰るっていうのは」
KPCが言い終わる前に、扉が閉まる。
電車の中にKPCとPC、二人が取り残された。
KPC「あー……」
KPC「まあ、次の停車で降りたらいいしな」
KPCはあなたの隣に座る。
電車は進んでいく。いくつもの星が煌めいている。
KPC「天の川まで行ってみたい?」
KPC「とても綺麗な場所で、絶景なんだって。この電車に乗る人はみんな天の川を目指して乗るんだ」
アナウンス「次はー、たんぽぽの花畑ー、たんぽぽの花畑ー」
停車し扉が開く。そこは仄かに光り輝くたんぽぽの花畑が広がっていた。
花の良い香りが鼻孔を擽る。その光景は美しいものだ。
すると、一匹の黒猫が乗車してきた。
黒猫は空いている席に座ると、あなたがたに話しかけてくる。
黒猫「あなたがたも天の川に?」
黒猫「ぼくもなんです。天の川に会いたい人がいて」
・会いたい人?
黒猫「ぼくのおとうさまです。ぼくのことを大層かわいがってくださって」
黒猫「あるときから具合が悪い日々が続きましてね、しだいに寝たきりになってしまって」
黒猫「おかあさまが看病していたんですが、さいごにぼくをひと撫でしてから目を覚まさなくなりました」
黒猫「そのあとはおかあさまがぼくの面倒を見てくださいました」
黒猫はにゃあと鳴いて、椅子の上で丸まる。
黒猫「天の川までひとねむりです」
そう言って、黒猫はすやすやと眠り始めた。
KPCはあなたに言う。
KPC「PC、綺麗な花畑だよな」
KPC「……ここで降りてみないか?」
KPCはどこか寂しそうに言う。
KPC「このまま天の川に行ってもいいけど、綺麗な場所だし」
KPC「でも……」
KPC「屋敷、そう。屋敷に戻らないといけないだろ」
KPC「帰ろうよ」
(KP情報:ここでEND分岐の1つになる。降りない場合はEND1へ)
▶降りない(END1:「すずのハート」)
あなたは降りないことを選んだ。
KPC「そう」
KPCの顔は悲しそうに、でもどこか嬉しそうに微笑む。
銀河の海を泳ぐ電車は、時折停車しては人や動物を運んでいく。
この美しい光景をKPCと見れることが、あなたにとってはなにより嬉しく感じられた。
(RP)
地上にいる誰かが「流れ星!」と言った。
その日の空は流星群が降り注ぎ、誰もが星空を見上げた。
災害レベルの雷雨として世間を騒がしたその日。多くの人たちが命を失った。
行方不明のまま未だ見つかっていない遺体も多くあったが、発見された遺体は火葬され、弔われる。
その骨となった遺体のふたつに、ハート形のすずのかたまりが見つかった。
事故でかたまりを飲み込んでしまったのかもしれない。
「にしても、不思議なこともあるもんだ」
誰かがそう言った。
END1「すずのかたまり」
両者ロスト
生還報酬:無し
このENDのKPCは後追い自殺をしています。PCが死んだことに耐え兼ねて後を追ったという描写にしていますが、PCが死んでも一人で生きていくことを選ぶKPCであれば片ロスという扱いで大丈夫です
▶降りる
あなたは花畑に降り立つ。扉は閉まって電車はそのまま銀河を進んでいく。
(観光しながらRPを自由にして)
その時だ、あなたは背筋が冷えていくような感覚を覚える。
体温が急激に奪われていく、息苦しくなっていく。
KPC「PC……!!」
たんぽぽの姿をしていたそれは、黒い腕を伸ばしPCに絡みつく。KPCはそれを必死に取り払おうとするが、阻むように二人の距離が開いていく。
「嫌だ!醒めないで」「このままここにいて」
無数の泣き声があなたの脳を侵す。
見れば、あなたの屋敷で働いていた使用人やメイドたちが目から黒い涙を流し、あなたに縋っていた。
あなたは思い出す。
酷い雷雨が街を襲った。帰り道にバケツをひっくり返したかのような雨が降り注ぎ、何度も雷が鳴り響いていた。
その時、あなたは人が氾濫した池で溺れているのを見つけ、助けたのだ。
結果として人を助けることはできたが、あなたはそのまま池に呑まれた。
KPC「PC……」
KPC「これは、おまえが見ている夢の世界だ」
KPC「おまえを死の世界に引き入れようとしている世界だ」
KPC「俺だって、おまえの夢の一部なんだ」
KPC「おまえが覚めたら俺たちは消える」
黒い腕は視界を包み、やがて黒い空間にあなたとKPCは取り込まれる。
KPC「PC」
KPC「もし生きたいと願うなら」
KPC「生きている俺の元に戻るなら」
KPC「扉を開けて」
KPCはあなたの後ろを指差す。
遠いほうに木製の扉がぽつんと佇んでいた。
▶扉を開けない(END2:「四十五分」)
あなたは夢の中に留まることを選んだ。
一瞬のまばたきをした瞬間、あなたはあの電車にまた乗っていた。
隣を見ればKPCがいる。
アナウンス「次はー、天の川ー、天の川ー」
あなたは隣にいるKPCが、夢の中のKPCではなく、自分のよく知っているKPCなのだと思った。
KPCは困ったように笑って、あなたの手に手を重ねる。
それはどこか熱く感じて、まるで二人で燃えているようだと思った。
地上にいる誰かが「流れ星!」と言った。
その日の空は流星群が降り注ぎ、誰もが星空を見上げた。
災害レベルの雷雨として世間を騒がしたその日。多くの人たちが命を失った。
行方不明のまま未だ見つかっていない遺体も多くあったが、発見された遺体は火葬され、弔われる。
その骨となった遺体のふたつに、ハート形のすずのかたまりが見つかった。
事故でかたまりを飲み込んでしまったのかもしれない。
「にしても、不思議なこともあるもんだ」
誰かがそう言った。
END2「四十五分」
両者ロスト
生還報酬:無し
このENDのKPCも後を追っています。
「四十五分」は銀河鉄道の夜のカムパネルラが川に流されてから捜索が打ち切られるまでの時間です。
▶扉を開ける(END3:「緑いろの紙」)
あなたはKPCから離れ、扉へ向かう。
隙間から微かに光が差し込んでいる。それはどこか、カーテンから差し込む朝日に似ていると感じた。
ギイ、と音を立てて扉が開かれる。
眩しさに目を閉じ、視界が真っ白に染まった。
KPC「おまえが生きてくれるなら、俺はもうどんな暗闇だって怖くないよ」
最後に、KPCがそう言って笑った気がした。
目を覚ます。
小鳥のさえずる声、そして目に飛び込んできたのは白い天井。
看護婦「あ、PCさん!目を覚まされたんですね!」
看護婦「少し待っていてください、先生を呼んできます」
あなたを繋いでいる点滴を取り換えていた看護婦が目を覚ましたことに気づき、部屋を出て行く。
その後、身体検査をされ、異常はなしと判断された。
あの雷雨で多くの人が命を落とし、しばらくは復興に忙しそうだ。
あなたが目を覚ましたことを知ったらしいKPCは、あなたが退院するまで何度もお見舞いに足を運んだ。
そして退院日、あなたを迎えに来たKPCと共に帰路についた。
KPC「比較的高い場所にある家だったおかげで、俺とおまえの家は無事だよ」
KPC「おまえが意識不明の状態で見つかって聞いた時は、ほんとにどうなるかと……」
KPC「生きた心地がしなかったよ」
そう言って困ったようにはにかむKPCを見て、あなたの脳裏にあの夢のKPCが浮かんだ。
あなたがまた生死を彷徨うことがあれば、あの世界の住人たちはまたあなたを迎えるのだろうか。
その時は、あのKPCは「また戻ってきたのか」と呆れるのかもしれない。
それでもあなたは扉を開けた。
空には、一瞬煌めく流れ星が落ちていた。
END3「緑いろの紙」
両者生還
生還報酬:1d10
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2025.3.18
No.39
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自作発言・二次配布禁止
小鳥のさえずる声。眩しい朝日がカーテンから差し込み、暖かい布団があなたを夢へと引き留めようとする。
KPC「おはようございます、PC様」
(※KP情報:KPCの口調は適宜改変してヨシ!)
微睡むあなたに冷水を浴びせるがごとくの衝撃。
目を覚まして飛び起きれば、そこには穏やかな笑みを浮かべているKPCがいた。
(※KP情報:ここでは同居していない想定の描写をしているが、同居している場合は適宜改変してください。)
そして飛び起きたあなたは気づき、自然と周囲を見渡す。
そこはあなたのよく知っている住み慣れた自室ではなく、豪奢なお屋敷だったのだ!
白いレースのカーテン、普段使っているものよりも何倍もふわふわのベッド、そして絢爛豪華な家具……。
そしてなによりも、まるで中世ヨーロッパの兵隊のような恰好をしたKPCが、ベッドの脇に立っていた。
突如として異世界に放り込まれたような状況は、あなたを混乱に落とす。SANc 0/1
KPC「どうしたんですか?そんなに驚いた顔をして」
【質疑応答例】
・なにここ!?
KPC「なにって……、あなたの家でしょう」
・なにその恰好!?
KPC「?……なにか変ですか?」
(しばらくRPをしたら)
KPC「朝ごはんができております、食堂へ行きましょう」
KPC「まだ眠たいと仰るのであれば、お姫様抱っこでもして連れて行きましょうか?」
少し悪戯っぽい笑みを浮かべたKPCは、「冗談」と言うと今日の着替えと言ってあなたの衣服を用意する。
やはりあなたにとっては着慣れない、質の良い衣服だ。
・似合ってる?
KPC「似合ってるよ。世界一綺麗」
▶食堂へ行く
使用人「おはようございます、PC様」
すれ違う全く知らない人たちがあなたに向けて頭を下げる。
それは男性の使用人や、メイド服に身を通した女性。あるいは執事らしき風貌の老人だったり、そのどれもがまるで異世界のようだった。
あなたはKPCに連れられ食堂へ入る。
用意された食事はホテルで用意される朝食のようで、一瞬あなたは「そうか、これはホテルなのかもしれない。自分はホテルに泊まりに来たのかも。な~んだそっか」と思うかもしれないがホテルに泊まった記憶は一切ない。前日はいつも通りベッドで寝たはずだ。
食事を取るのであれば、作り立ての仄かに暖かく、甘いクロワッサンの味や、野菜スープの旨味が口の中に広がる。SAN+1
▶食べ終わる
空になった食器を使用人が運んでいく。
どうやら自由に行動しても問題なさそうだ。あなたがどこかへ行くというのであれば、KPCは護衛としてついていくと言う。
[探索箇所]図書室
▶図書室
学校にあるものほど広くはないが、それでもたくさんの本が置かれている図書室だ。
掃除が行き届いているようで、埃っぽくない。
<目星>or<図書館>
成功→一冊の本が目に入る。タイトルは掠れて読めないが、絵画の画集らしい。ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ハムレット」の登場人物、オフィーリアが描かれたものが目に入る。オフィーリアは水に沈み亡くなったが、その死の表現が文学の中で最も詩的に書かれたものとして賞賛された。
失敗→どの本もタイトルが掠れていたりで古いもののようだ。ふと飛び出している一冊の本が目に入り、それを取り出す。相変わらずそれもタイトルが掠れて読めないが、絵画の画集らしい。ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ハムレット」の登場人物、オフィーリアが描かれたものが目に入る。オフィーリアは水に沈み亡くなったが、その死の表現が文学の中で最も詩的に書かれたものとして賞賛された。
更に<目星>or<図書館>
成功→「ハムレット」第4幕第7場で王妃ガートルードのセリフが記載されている。
「すてきな花輪を、垂れた枝にかけようと、柳によじ登ったとたん、意地の悪い枝が折れ、花輪もろとも、まっさかさまに、涙の川に落ちました。裾が大きく広がって、人魚のようにしばらく体を浮かせて―――そのあいだ、あの子は古い小唄を口ずさみ、自分の不幸が分からぬ様子―――まるで水の中で暮らす妖精のように。でも、それも長くは続かず、服が水を吸って重くなり、哀れ、あの子を美しい歌から、泥まみれの死の底へ引きずり下ろしたのです。」
(※KP情報:オフィーリア(絵画)/Wikipediaより引用)
失敗→KPCがガートルードのセリフを読み上げる。
<アイデア>
成功→数週間前、あなたの住んでいる地域に酷い雷雨がおきていたことを思い出す。
▶探索終了
<聞き耳>
成功→窓をなにかが叩く音がする。どうやら雨が降ってきたようで、ぽつぽつとした音からすぐに土砂降りの雨が降り、隠れた太陽のせいで窓の外が暗くなる。
失敗→KPC「雨だ」
KPCの声に反応し窓を見れば、外はすっかり土砂降りになっていた。
その時だ、突如として窓がバタンと音を出して開く。
強風が吹き荒れ、あなたは思わず目を閉じる。そして、体がふわりと軽くなった。
KPC「PC!!」
KPCの叫び声にあなたは目を開ける。
なんということだろうか、あなたは空を飛んで、窓の外へ出ていた。
風に攫われながらもあなたはKPCに手を伸ばしたかもしれない。KPCもあなたに手を伸ばす。しかしその手が届く前に、あなたは意識を失った。
▶夢の中
それは酷い雷雨だった。
帰りに土砂降りの雨と強風に襲われたあなたは、もうすっかり濡れた衣服と髪を煩わしそうに振り払いながらも帰路についている。
その時、誰かの声が聞こえた。
周囲を見れば、大雨で氾濫した池の中になにかがいた。
それは助けを求めている――、人だ。人が溺れている。
とにもかくにも、あなたは助けに行ったのだ。それを憶えている。
あなたはその池に向かいながら、何故かKPCのことを思い出していた。
気のせいだったかもしれない、しかしその時何故かあなたの耳元に歌が聞こえて来た。
さようなら、さようなら。
あなたは、死ななきゃならないのよ。
▶地下鉄
目を覚ます。最初にどぶ臭い匂いが鼻を突き、その次に硬く冷たい床の感触が脳を混乱させる。
周囲を見渡せば、そこはうす暗い地下鉄のような場所だった。車掌の恰好をした男性があなたに近づき、声をかける。
車掌「あのぅ、すみません。切符はお持ちですか?」
・切符を探す/切符?
あなたは雨に打たれて濡れた衣服のポケットに違和感があることに気付く。
取り出せば、そこは行き先の書かれていない緑色の紙があった。
車掌「ヘンですねえ、行き先が書かれていない」
車掌「まあ、切符を持っているのであればとやかく言うこともないです。どうぞ、電車に乗ってください」
[探索箇所]車掌、駅、電車
▶車掌
よく見れば帽子の上にねずみのような耳が生えている。
・この耳は?
車掌「自前ですよ、わたくしねずみなんです」
車掌「地下鉄はねえ、あんまり利用する人はいないんですよ」
車掌「なんてったってねずみはねずみでもどぶねずみですから、ここ臭いんですねえ」
▶駅
<目星>
成功→ポスターが貼ってある。
「水の事故に気を付けて!」
失敗→ポスターの前に人が座っていて中間の文字がよく見えないが「水―――に気を付けて!」と書かれているようだ。
▶電車
(KP情報:上記の探索を全て終えると電車が発車する。それまでは動かない)
アナウンス「えー、この電車は天の川。天の川行きです。発車致しますので扉にご注意ください」
空気が抜けるような音と共に扉が閉まり、ガタンと車体が揺れる。
次第にそれはゆっくりと前に進んでいった。
アナウンスは天の川行きと言っていたが、あなたの切符には行先が書かれていない。どこで降りようか。
ふと窓の外から青白い光が差し込む。
窓を見れば、そこは無数の星が煌めく銀河だった。
電車は銀河を飛び回っている、あまりにも非現実的な光景。
あなたは不思議とそこに恐怖を感じなかった。しかし、この光景をKPCと共に見れていないことに寂しさを覚えるかもしれない。
アナウンス「次はー、暖炉の前。暖炉の前ー」
停車し、扉が開く。
どこかの家の暖炉の前だ。しかし火はついておらず、焼け焦げた木と灰だけが目の前にある。
KPC「すみません、乗ります!」
聞き慣れた声がしたかと思えば、大慌てでKPCが乗り込んできた。
KPC「PC……!よかった、やっと見つけた!」
KPC「あれからいっぱい探し回ったんだ、こんなところにいたのか」
KPC「この電車、何行きなんだ?」
・天の川だって
KPC「天の川……」
(KP情報:このまま行ったらPCが死ぬことを知っているので言葉に詰まっている)
KPC「あの、PC……、ここで降りて歩きで帰るっていうのは」
KPCが言い終わる前に、扉が閉まる。
電車の中にKPCとPC、二人が取り残された。
KPC「あー……」
KPC「まあ、次の停車で降りたらいいしな」
KPCはあなたの隣に座る。
電車は進んでいく。いくつもの星が煌めいている。
KPC「天の川まで行ってみたい?」
KPC「とても綺麗な場所で、絶景なんだって。この電車に乗る人はみんな天の川を目指して乗るんだ」
アナウンス「次はー、たんぽぽの花畑ー、たんぽぽの花畑ー」
停車し扉が開く。そこは仄かに光り輝くたんぽぽの花畑が広がっていた。
花の良い香りが鼻孔を擽る。その光景は美しいものだ。
すると、一匹の黒猫が乗車してきた。
黒猫は空いている席に座ると、あなたがたに話しかけてくる。
黒猫「あなたがたも天の川に?」
黒猫「ぼくもなんです。天の川に会いたい人がいて」
・会いたい人?
黒猫「ぼくのおとうさまです。ぼくのことを大層かわいがってくださって」
黒猫「あるときから具合が悪い日々が続きましてね、しだいに寝たきりになってしまって」
黒猫「おかあさまが看病していたんですが、さいごにぼくをひと撫でしてから目を覚まさなくなりました」
黒猫「そのあとはおかあさまがぼくの面倒を見てくださいました」
黒猫はにゃあと鳴いて、椅子の上で丸まる。
黒猫「天の川までひとねむりです」
そう言って、黒猫はすやすやと眠り始めた。
KPCはあなたに言う。
KPC「PC、綺麗な花畑だよな」
KPC「……ここで降りてみないか?」
KPCはどこか寂しそうに言う。
KPC「このまま天の川に行ってもいいけど、綺麗な場所だし」
KPC「でも……」
KPC「屋敷、そう。屋敷に戻らないといけないだろ」
KPC「帰ろうよ」
(KP情報:ここでEND分岐の1つになる。降りない場合はEND1へ)
▶降りない(END1:「すずのハート」)
あなたは降りないことを選んだ。
KPC「そう」
KPCの顔は悲しそうに、でもどこか嬉しそうに微笑む。
銀河の海を泳ぐ電車は、時折停車しては人や動物を運んでいく。
この美しい光景をKPCと見れることが、あなたにとってはなにより嬉しく感じられた。
(RP)
地上にいる誰かが「流れ星!」と言った。
その日の空は流星群が降り注ぎ、誰もが星空を見上げた。
災害レベルの雷雨として世間を騒がしたその日。多くの人たちが命を失った。
行方不明のまま未だ見つかっていない遺体も多くあったが、発見された遺体は火葬され、弔われる。
その骨となった遺体のふたつに、ハート形のすずのかたまりが見つかった。
事故でかたまりを飲み込んでしまったのかもしれない。
「にしても、不思議なこともあるもんだ」
誰かがそう言った。
END1「すずのかたまり」
両者ロスト
生還報酬:無し
このENDのKPCは後追い自殺をしています。PCが死んだことに耐え兼ねて後を追ったという描写にしていますが、PCが死んでも一人で生きていくことを選ぶKPCであれば片ロスという扱いで大丈夫です
▶降りる
あなたは花畑に降り立つ。扉は閉まって電車はそのまま銀河を進んでいく。
(観光しながらRPを自由にして)
その時だ、あなたは背筋が冷えていくような感覚を覚える。
体温が急激に奪われていく、息苦しくなっていく。
KPC「PC……!!」
たんぽぽの姿をしていたそれは、黒い腕を伸ばしPCに絡みつく。KPCはそれを必死に取り払おうとするが、阻むように二人の距離が開いていく。
「嫌だ!醒めないで」「このままここにいて」
無数の泣き声があなたの脳を侵す。
見れば、あなたの屋敷で働いていた使用人やメイドたちが目から黒い涙を流し、あなたに縋っていた。
あなたは思い出す。
酷い雷雨が街を襲った。帰り道にバケツをひっくり返したかのような雨が降り注ぎ、何度も雷が鳴り響いていた。
その時、あなたは人が氾濫した池で溺れているのを見つけ、助けたのだ。
結果として人を助けることはできたが、あなたはそのまま池に呑まれた。
KPC「PC……」
KPC「これは、おまえが見ている夢の世界だ」
KPC「おまえを死の世界に引き入れようとしている世界だ」
KPC「俺だって、おまえの夢の一部なんだ」
KPC「おまえが覚めたら俺たちは消える」
黒い腕は視界を包み、やがて黒い空間にあなたとKPCは取り込まれる。
KPC「PC」
KPC「もし生きたいと願うなら」
KPC「生きている俺の元に戻るなら」
KPC「扉を開けて」
KPCはあなたの後ろを指差す。
遠いほうに木製の扉がぽつんと佇んでいた。
▶扉を開けない(END2:「四十五分」)
あなたは夢の中に留まることを選んだ。
一瞬のまばたきをした瞬間、あなたはあの電車にまた乗っていた。
隣を見ればKPCがいる。
アナウンス「次はー、天の川ー、天の川ー」
あなたは隣にいるKPCが、夢の中のKPCではなく、自分のよく知っているKPCなのだと思った。
KPCは困ったように笑って、あなたの手に手を重ねる。
それはどこか熱く感じて、まるで二人で燃えているようだと思った。
地上にいる誰かが「流れ星!」と言った。
その日の空は流星群が降り注ぎ、誰もが星空を見上げた。
災害レベルの雷雨として世間を騒がしたその日。多くの人たちが命を失った。
行方不明のまま未だ見つかっていない遺体も多くあったが、発見された遺体は火葬され、弔われる。
その骨となった遺体のふたつに、ハート形のすずのかたまりが見つかった。
事故でかたまりを飲み込んでしまったのかもしれない。
「にしても、不思議なこともあるもんだ」
誰かがそう言った。
END2「四十五分」
両者ロスト
生還報酬:無し
このENDのKPCも後を追っています。
「四十五分」は銀河鉄道の夜のカムパネルラが川に流されてから捜索が打ち切られるまでの時間です。
▶扉を開ける(END3:「緑いろの紙」)
あなたはKPCから離れ、扉へ向かう。
隙間から微かに光が差し込んでいる。それはどこか、カーテンから差し込む朝日に似ていると感じた。
ギイ、と音を立てて扉が開かれる。
眩しさに目を閉じ、視界が真っ白に染まった。
KPC「おまえが生きてくれるなら、俺はもうどんな暗闇だって怖くないよ」
最後に、KPCがそう言って笑った気がした。
目を覚ます。
小鳥のさえずる声、そして目に飛び込んできたのは白い天井。
看護婦「あ、PCさん!目を覚まされたんですね!」
看護婦「少し待っていてください、先生を呼んできます」
あなたを繋いでいる点滴を取り換えていた看護婦が目を覚ましたことに気づき、部屋を出て行く。
その後、身体検査をされ、異常はなしと判断された。
あの雷雨で多くの人が命を落とし、しばらくは復興に忙しそうだ。
あなたが目を覚ましたことを知ったらしいKPCは、あなたが退院するまで何度もお見舞いに足を運んだ。
そして退院日、あなたを迎えに来たKPCと共に帰路についた。
KPC「比較的高い場所にある家だったおかげで、俺とおまえの家は無事だよ」
KPC「おまえが意識不明の状態で見つかって聞いた時は、ほんとにどうなるかと……」
KPC「生きた心地がしなかったよ」
そう言って困ったようにはにかむKPCを見て、あなたの脳裏にあの夢のKPCが浮かんだ。
あなたがまた生死を彷徨うことがあれば、あの世界の住人たちはまたあなたを迎えるのだろうか。
その時は、あのKPCは「また戻ってきたのか」と呆れるのかもしれない。
それでもあなたは扉を開けた。
空には、一瞬煌めく流れ星が落ちていた。
END3「緑いろの紙」
両者生還
生還報酬:1d10
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