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※注意※当作品に含まれる成分表。暴力/流血/倫理観の欠如/人外化/年齢が非常に若い刑事などのファンタジー設定
一次創作 2025.9.13 No.35
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流れる雲の隙間から光が差し込んでいる。
天使の梯子だとか言われているアレだ。
これから死ぬというのに、随分洒落たものを見せられていると思った。
あ。これから死ぬから天使が迎えに来てるのか。
そういう考え方もできる。
せっかく尻尾を掴んだと思ったのに、ここで死ぬのか――悔しいな。
自分を襲った男は慌てた様子でどこかへ逃げていってしまった。
誰にも気づかれないまま、ここで意識を落としていくだけだ。
ダイイングメッセージでも書いておけばよかった。
でも最期までそんな考えには至らなかったらしい。
☆☆☆
玩具制作会社「ヴィルトゥス」。
主に子供向けに玩具を制作しているが、大人にも大人気であり、今やその名を知らない者はいない。
つい先日。新たな部署へ配属された明星 朔良は、前よりも移動距離が長くなった道のりを歩きながら目的の部屋のドアを開ける。
真冬が指さすテレビを見れば、そこには近所で起きた殺人事件が報道されていた。
殺人事件の概要も妙なものだったが、なにより目を引いたのはそこに落ちていたらしいアイテムだ。
その玩具はケモノをモチーフとしたかわいらしいデザインの車型の玩具だ。
先頭はケモノの顔があり、口が開閉するようになっている。
朔良にとっては馴染み深いその玩具。何故なら。
☆☆☆
鈴鹿 柊一は事件の被害者、松岡 十日が殺害された現場に来ていた。
証拠になりそうなものは既に回収されたため、他に気になるものとはといえば正直に言えば無い。
夏生は周囲から漂う異臭に気付く。
☆☆☆
☆☆☆
情報屋「柑橘」。
そこでは店主の天音 御前が待っていた。
御前の言葉に全員が首を横に振る。
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