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一次創作 2026.1.19 No.63
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人間のサイボーグ化、発達した人工知能、巨大複合企業による都市支配が進行している。
インターネット上では、政治や国の未来を憂う論争が日々行われているが、日常を謳歌している人間が存在しているのもまた事実……。
そんな中、近頃C.onでは不可解な連続殺人事件が発生していた。
被害者は四肢を固定され、美しく着飾られ壁に飾られている。
誰が言い出したか、それは「標本事件」と称され、今世間を賑わせているのだ。
更には世間で大流行のゲーム「Collection」のほうでも奇妙な事件が浮上していた……。
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「終点、状況はどうなってる」
警視庁の廊下を足早に歩き、粟生野は第0班の扉を開けた。
後ろからついてきていた新庄は忙しなく鳴る通信に応答するのに必死だ。
C.onは今、Collectionから流れ出るモンスターたちに追われていた。
見たこともない異形の生物が荒れ狂い、都市中を壊して回っている状況にある。
警察や自衛隊が市民の避難を誘導しているが、マニュアルもなにもあったものじゃない状況だ。混乱に満ちた現状に、誰しもが動揺を隠せないでいた。
「えっちゃんと連絡は?」
「取れてない、なんの応答もないんだ」
「こんなことになってるのに、なんで連絡がないんだ……!?」
「っていうか、本当なのか」
「C.onにいる俺たちが、Collectionの住民のレプリカだってこと」
「……取ってきたデータには、確かにそう書かれてます」
「しかも、C.on上層部はこうなることは計画の上だったのか」
垣灰谷はモニターに表示されているファイルを指差し言う。
「ぼくたちレプリカが、Collectionの住民から奪い取ったC.onを取り戻すため……」
「曰が連絡を取ってないことだけど、もしかしたらこれからCollection総出でC.onを襲うかもしれない」
「残念だけど、Collectionを味方だと思わないほうがいい」
「そんな……」
「…………」
「俺、もう一度中央塔に行ってくる」
「なんの為にだ」
「まだ情報が足りない、レシオンも上層部も、まだ隠してるなにかがある気がする」
「それに、曰と会うとしたら中央塔だと思う」
「待って!」
「お、おれもついてっていい!?」
「ただの一般市民なんだからやめといたほうがいいに決まって」
「着いてこい、楓太!」
「やめとけって!」
「新庄先輩、これでも付き合い長いんでわかるんですよ」
「こいつが自分からなにかしたいって言いだすことは滅多にないんだ」
「たまの我儘、いつも叶えてもらってるんだしこっちも叶えてやらないとな!」
「どういう理論~!?」
「まあ、警察がちゃんと守ってやるんだったらいいんじゃないか……」
「怪我させたら始末書だぞ!」
「うっす!」
☆☆☆
「これが……私たちが元いた世界か」
空を渡るドラゴンの背に乗り、曰らは上空からC.onを眺めていた。
科学技術が発達し、見慣れない素材でできた建物が建ち並んでいる。
元々住んでいた場所、自分たちの居場所だったもの。
「実感がないな」
「そうであったとして、もうCollectionのほうが居場所だと思ってしまった」
「奪われたという恨みは、本当にCollectionの人間のものか?」
「難しい問題だな」
「正直、発覚した以上C.onに恨みを持つCollectionの民もいるだろうよ」
「しかし、その恨みを根強く持っているのは……」
ロウリーはC.on中央塔へ目を向ける。
「おそらく、C.on開発に関わった人間」
「そう目を付けてるんじゃないか?曰」
「さあ?」
「難しいことはわかんねーよ、焉は警察だけど俺は警察じゃねーんだ」
「でも焉なら、また中央塔を目指してると思う」
「行こうぜ、この世界がどう転ぶのか見てやろうじゃねえか」
#Collection
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