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没入型オンラインゲーム「C.on」についてレシオンが開発した最新魔法技術、「C.on」の結果を報告する。ボードゲームやトランプなどといったゲームが主流である中、レシオンは更に没入感と新たな時代を切り開くため、最高位の魔術師を集め新たな魔法を開発した。異空間に自身のレプリカを生み出し、一時的に意識をレプリカに移植させる。新たな体験をこの世界へ届けたいと願う我々の集大成である。
一次創作 2026.1.16 No.62
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人間のサイボーグ化、発達した人工知能、巨大複合企業による都市支配が進行している。
インターネット上では、政治や国の未来を憂う論争が日々行われているが、日常を謳歌している人間が存在しているのもまた事実……。
そんな中、近頃C.onでは不可解な連続殺人事件が発生していた。
被害者は四肢を固定され、美しく着飾られ壁に飾られている。
誰が言い出したか、それは「標本事件」と称され、今世間を賑わせているのだ。
更には世間で大流行のゲーム「Collection」のほうでも奇妙な事件が浮上していた……。
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C.on中央塔。
警察が来たと知り不審がるような表情をしながらも、受付嬢は上へ掛け合いなんとか話ができるようにしてくれた。
C.onと警察の関係は良好なはずだった。
それが突然なんの探りを入れてきたのかと不審に思う気持ちも理解できる。
「どうもどうも、警察の方がなんの御用ですか?」
「今C.on内で行われている連続殺人事件ってご存知です?」
「あ、ああ……。標本事件、でしたっけ?」
「それが、こちらとなんの関係が?」
「標本事件はオンラインゲーム“Collection”と関係があると見ています」
「こちらの捜査で判明したことですが、公式ホームページなどに記載されている運営会社の住所はダミー」
「CollectionはC.on中央塔で管理、運営されているようですね」
「(曰の連絡で知ったことだけど)」
「そこでですが、そちらで管理されているCollectionのデータを見せていただきたいんです」
「C.onの平和のため、事件を早急に解決するためです」
「協力していただけますか?」
「そ、そう言われましても」
「こちらではそんな話聞いたこともないというか……」
「………」
「(そろそろ頃合いか)」
「そうですか、でしたら結構です」
「すみません、わざわざお手間を取らせてしまって」
「え?あ、はあ」
「今日はこの辺りで失礼します、では」
☆☆☆
外に出た焉と慧は、C.on中央塔から少し離れた場所で待機していた。
しばらくすると、譲葉が駆けつけてくる。
彼の手にはUSBが握られていた。
「盗めたか?」
「重要データだけでしたが、おそらく問題ないかと」
「やるじゃないか、見直したよ」
「なんで微妙に上から目線なんだ……」
「よし、第0班に戻って詳細を確かめに行こう」
☆☆☆
レシオンの内部。
曰はライカンとロウリーと共に潜入していた。
薄暗い城の中を進んでいくと、明確に他とは違う雰囲気の部屋へと突入した。
ファンタジーを模したゲームの世界観とは相反して、近未来かつ電子的なモニターや電線が大量に溢れている。
Collectionの中というより、そこだけC.onのような場所だった。
「ゲームの中にこんな場所作るか?デバック用?」
「これは…………」
ロウリーはひとつのモニターを前に釘付けになる。
後ろから曰が覗き込むと、そこにはひとつのファイルが開かれていた。
「オンラインゲーム“C.on”……?」
「……まさか、こういうことか?」
「オンラインゲームは本来C.onに住む人間たちのことで、俺たちCollectionこそが本当の世界だと?」
「まさか、そんな……」
「だったら、何故Collectionの人間たちは自分のことをキャラクターだと思っているんだ?」
「俺たちだって、自我のないNPCだという自覚がある」
その瞬間。
突如として画面に「データを送信中」というダイアログが表示された。
それは全てのモニターに表示されていく。
次いで、地面が激しく揺れる。
慌てて外に出れば――、Collectionの空の向こうにC.onが映し出されているのが見えた。
「ああ」
「知っている」
「俺たちは、元々あそこにいたんだ」
Collectionに蔓延るモンスターたちが次々にC.onへと入って行く。
C.onはあっという間に混乱に陥り、モンスターが次々に人を襲っていく悪夢のような光景が広がっていた。
「…………曰」
焉は空の向こうに、Collectionに存在している本来の自分を見つめていた。
#Collection
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