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No.7
一次創作
Re;dREgina 第1話
※注意※
当作品に含まれる成分表。
暴力/流血/倫理観の欠如/人外化/年齢が非常に若い刑事などのファンタジー設定
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流れる雲の隙間から光が差し込んでいる。
天使の梯子だとか言われているアレだ。
これから死ぬというのに、随分洒落たものを見せられていると思った。
あ。これから死ぬから天使が迎えに来てるのか。
そういう考え方もできる。
せっかく尻尾を掴んだと思ったのに、ここで死ぬのか――悔しいな。
自分を襲った男は慌てた様子でどこかへ逃げていってしまった。
誰にも気づかれないまま、ここで意識を落としていくだけだ。
ダイイングメッセージでも書いておけばよかった。
でも最期までそんな考えには至らなかったらしい。
☆☆☆
玩具制作会社「ヴィルトゥス」。
主に子供向けに玩具を制作しているが、大人にも大人気であり、今やその名を知らない者はいない。
つい先日。新たな部署へ配属された明星 朔良は、前よりも移動距離が長くなった道のりを歩きながら目的の部屋のドアを開ける。
【明星朔良】
「おはようございま~す」
【大槻真冬】
「おはよ~」
【明星朔良】
「だいぶ過ごしやすい季節になりましたよねえ」
「さ~て、今日も仕事頑張るかあ」
【大槻真冬】
「あのさあ」
【明星朔良】
「はい?」
【大槻真冬】
「これなに?」
【明星朔良】
「え?」
真冬が指さすテレビを見れば、そこには近所で起きた殺人事件が報道されていた。
殺人事件の概要も妙なものだったが、なにより目を引いたのはそこに落ちていたらしいアイテムだ。
【ニュースキャスター】
「遺体のそばにはヴィルトゥス社が制作した玩具が落ちており、警察は凶器の可能性もあると見て調査中です」
【明星朔良】
「…………」
その玩具はケモノをモチーフとしたかわいらしいデザインの車型の玩具だ。
先頭はケモノの顔があり、口が開閉するようになっている。
朔良にとっては馴染み深いその玩具。何故なら。
【明星朔良】
「お、俺が作った玩具…………」
【部下】
「真冬さん、失礼します!」
「朔良さんに話があると……、下に警察の人たちが来てるんですけど」
【明星朔良】
「…………」
【明星朔良】
「イヤァ~~~!!!」
「助けて真冬さん!!」
【大槻真冬】
「頑張って行ってこい!」
【明星朔良】
「そんなあ!!」
【明星朔良】
「俺無関係ですよ!!」
「俺はただ仕事で作っただけで!!」
【大槻真冬】
「おまえが無関係なのはちゃ~んとわかってるよ」
「別に疑ってるとか全然ねーし」
【明星朔良】
「そ、そうなんだ よかった」
【大槻真冬】
「大体、おまえが疑われてるんなら、この世の殺人事件の犯人が全部凶器の制作者じゃないとおかしいだろ」
【明星朔良】
「確かに……」
【大槻真冬】
「大方、商品の説明してほしいだけだと思うぜ」
【大槻真冬】
「そこから犯人のヒントが得れるかもしれないって希望だろ」
【明星朔良】
「そ、そっか。そうですよね」
【明星朔良】
「ありがとうございます、真冬さん」
【大槻真冬】
「俺だって折角できた部下手放したくねーもん」
【大槻真冬】
「ただ……」
【明星朔良】「ただ?」
【大槻真冬】
「……ちょっとこの事件には」
「しばらく付き合うことになるかもしれねえ」
【明星朔良】
「…………?」
☆☆☆
【鈴鹿柊一】
「(……現場に来たはいいものの)」
鈴鹿 柊一は事件の被害者、松岡 十日が殺害された現場に来ていた。
証拠になりそうなものは既に回収されたため、他に気になるものとはといえば正直に言えば無い。
【鈴鹿柊一】
「ダイイングメッセージでも描いといてくれたらな」
【警備員】
「ああっ!」
「こらキミ!関係者以外立ち入り禁止!」
【鈴鹿柊一】
「ん?」
【獣地夏生】
「バレた!!」
【獣地夏生】
「ちょっとだけ見せてください!」
「邪魔しないんで!」
【警備員】
「そういう問題じゃないよ!」
「ほら、あっち行った行った」
【鈴鹿柊一】
「…………」
【鈴鹿柊一】
「おまえ、この事件に興味あるの?」
【警備員】
「す、鈴鹿警部!?」
【獣地夏生】
「う、うん!ある!」
「俺、この事件の被害者と友達だったんです」
「犯人捕まえてやりたくて!」
【鈴鹿柊一】
「ふーん……」
【鈴鹿柊一】
「いいよ、入ってきな」
【警備員】
「ええ!?」
【鈴鹿柊一】
「責任は俺が取る」
「俺が面倒見とくから、あんたらは通常通りやってくれ」
【警備員】
「は、はあ……」
【獣地夏生】
「え、いいの?」
「やったー!ありがとうございます!」
【鈴鹿柊一】
「別に」
「気になったことあったら言えよ」
【獣地夏生】
「は~い!」
【獣地夏生】
「……ん?」
夏生は周囲から漂う異臭に気付く。
【獣地夏生】
「(……どこかで嗅いだことある匂いだ)」
「(どこだっけ……?)」
【獣地夏生】
「……あ」
【獣地夏生】
「(思い出した)」
「(あの研究室みたいなところだ)」
【獣地夏生】
「ねえ、刑事さん」
【鈴鹿柊一】
「ん」
【獣地夏生】
「この辺り」
「ちょっとだけ異臭がするんだけど……、これってもうみんな知ってる?」
【鈴鹿柊一】
「異臭……?」
【鈴鹿柊一】
「いや、そんな報告はなかった」
「どんな匂いだ?」
【獣地夏生】
「薬品みたいな匂い」
「もうほぼ消えかけてるけど……」
【獣地夏生】
「いや、これ消臭されたのかも」
「別の匂いで掻き消してるみたいな」
【鈴鹿柊一】
「なるほど……」
「覚えとく」
【鈴鹿柊一】
「意外と使えるかもな、あんた」
【獣地夏生】
「え!?」
「最初から『協力してくれそう』とか思って入れてくれたんじゃないの!?」
【鈴鹿柊一】
「や、なんか、仲間にしたらいいかもと訴えてて」
【獣地夏生】
「なにそれー!?」
【警備員】
「あーっ!!」
「ちょっと!!立ち入り禁止です!!」
【鈴鹿柊一】
「あ?」
【獣地夏生】
「ん?」
【明星朔良】
「うるさ~~~い!!」
【明星朔良】
「今日聞きに来た警察の態度め~~~っちゃくちゃムカつく!!」
【明星朔良】
「なんだか知らないけど『実は犯人と関係あるんじゃないですか?』とか半笑いで言いやがって!!」
「ぜ~ったい無関係だって突きつけてやる!!」
【鈴鹿柊一】
「ええ……」
【獣地夏生】
「失礼な人もいるもんだなあ」
「可哀想だし入れてあげようよ」
【鈴鹿柊一】
「ええ~……?」
【鈴鹿柊一】
「まあいいけど」
【警備員】
「いいの!?!?」
☆☆☆
【鈴鹿柊一】
「まあ、色々来てくれたところで悪いんだけど」
「大体の証拠はもう鑑識が持って行っちゃったから」
「調べてもあんま意味ないかもな」
【獣地夏生】
「う~ん、そっかあ……」
【明星朔良】
「その鑑識の人に落ちてた玩具って見せてもらえないんです?」
【鈴鹿柊一】
「無理だと思うよ」
【鈴鹿柊一】
「あとは警察に任せて……、って言いたいけど」
【鈴鹿柊一】
「……正直、進展は望めない」
【獣地夏生】
「え、なんで?」
【鈴鹿柊一】
「もうずっと似たような事件で足踏みしてる」
「ついに同僚まで被害にあったときた」
【鈴鹿柊一】
「もしかしたら今度は警察に目を付けたのかもしれない」
「被害は広まるだけ」
「事態は悪化する一方」
【鈴鹿柊一】
「でも、どうすればいいのか……」
【獣地夏生】
「……そっか」
「十日さん、警察の人だったんだ」
【獣地夏生】
「うーん……」
【獣地夏生】
「あのさ、うち、情報屋なんだけど」
【明星朔良】
「え、情報屋?」
【獣地夏生】
「御前さんに聞けばなにかわかるかも」
「来てみない?」
【明星朔良】
「そ、そーゆーのって警察に言うことじゃなくないですか?」
「言っていいんです?」
【獣地夏生】
「多分駄目!」
【明星朔良】
「ええ…………」
【獣地夏生】
「でも解決したいんでしょ」
「じゃあ立ち止まったままのほうがもっと駄目だよ」
「俺も協力するから」
【鈴鹿柊一】
「………」
【鈴鹿柊一】
「おまえ」
【鈴鹿柊一】
「めちゃくちゃ面白い人間かも」
【明星朔良】
「ええ!?」
【鈴鹿柊一】
「んじゃ、助けてもらおうか」
【明星朔良】
「本気ですか~……?」
【明星朔良】
「ま、俺もなんとしても無実を証明したいんで」
「ついて行かせてください」
【獣地夏生】
「決まりだね!」
「じゃ、レッツゴー!」
☆☆☆
【天音御前】
「随分多いお客さんだね」
情報屋「柑橘」。
そこでは店主の天音 御前が待っていた。
【鈴鹿柊一】
「俺からの依頼だ」
「シーカー事件について知ってることがあれば教えてほしい」
【明星朔良】
「シーカー事件……?」
って、最近オカルト系で言われてる、アレですか?」
【天音御前】
「知ってるみたいだね、話が早い」
【天音御前】
「正直渡せる情報はそんなにはないけどね」
「カーロイ研究所って知ってる?」
御前の言葉に全員が首を横に振る。
【天音御前】
「この街から少し離れた場所にある研究所なんだけど」
「そこでは信じられない研究がされてたの」
【天音御前】
「人間を使った生物実験」
「そしてそこから兵器にするための実験をね」
【鈴鹿柊一】
「兵器だと……?」
【天音御前】
「兵器っていうのは、そこにあった手記からの引用だけどね」
「隠喩かもしれないけど、そのままの意味の可能性が高い」
【明星朔良】
「その兵器を使って、なにするつもりなんです?」
【天音御前】
「そこまでは知らない」
「ただ、その手記を残した研究員は、ヴィルトゥス社の社員だったの」
【獣地夏生】
「え……」
【明星朔良】
「嘘!?え!?」
【明星朔良】
「全然知らないんですけど!!」
「待って!!無罪です!!俺は!!」
【天音御前】
「ヴィルトゥスの社員が全員クロではないでしょうね」
【天音御前】
「で、その兵器が所謂シーカーで」
「そのシーカーを造っているのはヴィルトゥス社員」
【天音御前】
「上層部なら、なにか知ってるんじゃないかな」
【明星朔良】
「じ、上層部って、そんな」
「…………」
【明星朔良】
「真冬さん……」
【鈴鹿柊一】
「社長に聞くのが一番手っ取り早い」
「連絡を入れてみる」
【獣地夏生】
「う、うん」
【獣地夏生】
「……朔良、大丈夫?」
【明星朔良】
「正直気分悪い、ですけど……」
「すみません、心配かけました?」
【獣地夏生】
「う、うん」
【獣地夏生】
「なんか……」
「思ってたより、大変なことになっちゃいそうだね」
【天音御前】
「こういうのは大抵、ロクでもない真実だよ」
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2026.3.9
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流れる雲の隙間から光が差し込んでいる。
天使の梯子だとか言われているアレだ。
これから死ぬというのに、随分洒落たものを見せられていると思った。
あ。これから死ぬから天使が迎えに来てるのか。
そういう考え方もできる。
せっかく尻尾を掴んだと思ったのに、ここで死ぬのか――悔しいな。
自分を襲った男は慌てた様子でどこかへ逃げていってしまった。
誰にも気づかれないまま、ここで意識を落としていくだけだ。
ダイイングメッセージでも書いておけばよかった。
でも最期までそんな考えには至らなかったらしい。
☆☆☆
玩具制作会社「ヴィルトゥス」。
主に子供向けに玩具を制作しているが、大人にも大人気であり、今やその名を知らない者はいない。
つい先日。新たな部署へ配属された明星 朔良は、前よりも移動距離が長くなった道のりを歩きながら目的の部屋のドアを開ける。
「おはようございま~す」
「おはよ~」
「だいぶ過ごしやすい季節になりましたよねえ」
「さ~て、今日も仕事頑張るかあ」
「あのさあ」
「はい?」
「これなに?」
「え?」
真冬が指さすテレビを見れば、そこには近所で起きた殺人事件が報道されていた。
殺人事件の概要も妙なものだったが、なにより目を引いたのはそこに落ちていたらしいアイテムだ。
「遺体のそばにはヴィルトゥス社が制作した玩具が落ちており、警察は凶器の可能性もあると見て調査中です」
「…………」
その玩具はケモノをモチーフとしたかわいらしいデザインの車型の玩具だ。
先頭はケモノの顔があり、口が開閉するようになっている。
朔良にとっては馴染み深いその玩具。何故なら。
「お、俺が作った玩具…………」
「真冬さん、失礼します!」
「朔良さんに話があると……、下に警察の人たちが来てるんですけど」
「…………」
「イヤァ~~~!!!」
「助けて真冬さん!!」
「頑張って行ってこい!」
「そんなあ!!」
「俺無関係ですよ!!」
「俺はただ仕事で作っただけで!!」
「おまえが無関係なのはちゃ~んとわかってるよ」
「別に疑ってるとか全然ねーし」
「そ、そうなんだ よかった」
「大体、おまえが疑われてるんなら、この世の殺人事件の犯人が全部凶器の制作者じゃないとおかしいだろ」
「確かに……」
「大方、商品の説明してほしいだけだと思うぜ」
「そこから犯人のヒントが得れるかもしれないって希望だろ」
「そ、そっか。そうですよね」
「ありがとうございます、真冬さん」
「俺だって折角できた部下手放したくねーもん」
「ただ……」
「……ちょっとこの事件には」
「しばらく付き合うことになるかもしれねえ」
「…………?」
☆☆☆
「(……現場に来たはいいものの)」
鈴鹿 柊一は事件の被害者、松岡 十日が殺害された現場に来ていた。
証拠になりそうなものは既に回収されたため、他に気になるものとはといえば正直に言えば無い。
「ダイイングメッセージでも描いといてくれたらな」
「ああっ!」
「こらキミ!関係者以外立ち入り禁止!」
「ん?」
「バレた!!」
「ちょっとだけ見せてください!」
「邪魔しないんで!」
「そういう問題じゃないよ!」
「ほら、あっち行った行った」
「…………」
「おまえ、この事件に興味あるの?」
「す、鈴鹿警部!?」
「う、うん!ある!」
「俺、この事件の被害者と友達だったんです」
「犯人捕まえてやりたくて!」
「ふーん……」
「いいよ、入ってきな」
「ええ!?」
「責任は俺が取る」
「俺が面倒見とくから、あんたらは通常通りやってくれ」
「は、はあ……」
「え、いいの?」
「やったー!ありがとうございます!」
「別に」
「気になったことあったら言えよ」
「は~い!」
「……ん?」
夏生は周囲から漂う異臭に気付く。
「(……どこかで嗅いだことある匂いだ)」
「(どこだっけ……?)」
「……あ」
「(思い出した)」
「(あの研究室みたいなところだ)」
「ねえ、刑事さん」
「ん」
「この辺り」
「ちょっとだけ異臭がするんだけど……、これってもうみんな知ってる?」
「異臭……?」
「いや、そんな報告はなかった」
「どんな匂いだ?」
「薬品みたいな匂い」
「もうほぼ消えかけてるけど……」
「いや、これ消臭されたのかも」
「別の匂いで掻き消してるみたいな」
「なるほど……」
「覚えとく」
「意外と使えるかもな、あんた」
「え!?」
「最初から『協力してくれそう』とか思って入れてくれたんじゃないの!?」
「や、なんか、仲間にしたらいいかもと訴えてて」
「なにそれー!?」
「あーっ!!」
「ちょっと!!立ち入り禁止です!!」
「あ?」
「ん?」
「うるさ~~~い!!」
「今日聞きに来た警察の態度め~~~っちゃくちゃムカつく!!」
「なんだか知らないけど『実は犯人と関係あるんじゃないですか?』とか半笑いで言いやがって!!」
「ぜ~ったい無関係だって突きつけてやる!!」
「ええ……」
「失礼な人もいるもんだなあ」
「可哀想だし入れてあげようよ」
「ええ~……?」
「まあいいけど」
「いいの!?!?」
☆☆☆
「まあ、色々来てくれたところで悪いんだけど」
「大体の証拠はもう鑑識が持って行っちゃったから」
「調べてもあんま意味ないかもな」
「う~ん、そっかあ……」
「その鑑識の人に落ちてた玩具って見せてもらえないんです?」
「無理だと思うよ」
「あとは警察に任せて……、って言いたいけど」
「……正直、進展は望めない」
「え、なんで?」
「もうずっと似たような事件で足踏みしてる」
「ついに同僚まで被害にあったときた」
「もしかしたら今度は警察に目を付けたのかもしれない」
「被害は広まるだけ」
「事態は悪化する一方」
「でも、どうすればいいのか……」
「……そっか」
「十日さん、警察の人だったんだ」
「うーん……」
「あのさ、うち、情報屋なんだけど」
「え、情報屋?」
「御前さんに聞けばなにかわかるかも」
「来てみない?」
「そ、そーゆーのって警察に言うことじゃなくないですか?」
「言っていいんです?」
「多分駄目!」
「ええ…………」
「でも解決したいんでしょ」
「じゃあ立ち止まったままのほうがもっと駄目だよ」
「俺も協力するから」
「………」
「おまえ」
「めちゃくちゃ面白い人間かも」
「ええ!?」
「んじゃ、助けてもらおうか」
「本気ですか~……?」
「ま、俺もなんとしても無実を証明したいんで」
「ついて行かせてください」
「決まりだね!」
「じゃ、レッツゴー!」
☆☆☆
「随分多いお客さんだね」
情報屋「柑橘」。
そこでは店主の天音 御前が待っていた。
「俺からの依頼だ」
「シーカー事件について知ってることがあれば教えてほしい」
「シーカー事件……?」
って、最近オカルト系で言われてる、アレですか?」
「知ってるみたいだね、話が早い」
「正直渡せる情報はそんなにはないけどね」
「カーロイ研究所って知ってる?」
御前の言葉に全員が首を横に振る。
「この街から少し離れた場所にある研究所なんだけど」
「そこでは信じられない研究がされてたの」
「人間を使った生物実験」
「そしてそこから兵器にするための実験をね」
「兵器だと……?」
「兵器っていうのは、そこにあった手記からの引用だけどね」
「隠喩かもしれないけど、そのままの意味の可能性が高い」
「その兵器を使って、なにするつもりなんです?」
「そこまでは知らない」
「ただ、その手記を残した研究員は、ヴィルトゥス社の社員だったの」
「え……」
「嘘!?え!?」
「全然知らないんですけど!!」
「待って!!無罪です!!俺は!!」
「ヴィルトゥスの社員が全員クロではないでしょうね」
「で、その兵器が所謂シーカーで」
「そのシーカーを造っているのはヴィルトゥス社員」
「上層部なら、なにか知ってるんじゃないかな」
「じ、上層部って、そんな」
「…………」
「真冬さん……」
「社長に聞くのが一番手っ取り早い」
「連絡を入れてみる」
「う、うん」
「……朔良、大丈夫?」
「正直気分悪い、ですけど……」
「すみません、心配かけました?」
「う、うん」
「なんか……」
「思ってたより、大変なことになっちゃいそうだね」
「こういうのは大抵、ロクでもない真実だよ」
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