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フリーゲーム、TRPGのシナリオ配布所

No.5

BLACK-TYPE 本文

【事前秘匿導入】

[HO1]
現在より21年前

あなたは軍人として日々訓練と実戦を繰り返していた。
今日は宇宙生命体の襲来を知らせる警報が鳴ることもなく、訓練の時間も終わりを迎えていた。
しかし、このまま何事もなく一日を終えれる保証はない。
宇宙生命体に休みはなく、この1秒後に襲来してもおかしくはないのだ。
あなたは軍人として、常に気を引き締めなければならない。
それが、今の人類が置かれている状況だった。

黒瀬「HO1」

あなたを呼び留める声が聞こえる。
振り返れば、あなたの友人である黒瀬織葉が緩く片手を上げ、「やあ」と親しげに微笑んでいた。

黒瀬「お疲れ。どうだ?調子は」

・答えてもらったら
黒瀬「そうか」(RPの内容によりけり~な返答する)

(RPする)

RPが終わったら 黒瀬に対して<目星>または<応急手当>または<医学>
成功→目の下の隈が以前より酷いように思える。またロクに眠れていないのだろう。
失敗→以前より元気がないように思える。またロクに眠れていないのだろう。

・指摘されたら
黒瀬「なっ……、はぁ……。相変わらず観察眼が優れているというか……。おまえに隠し事ができないな」
「上の人間から、宇宙生命体をより効率よく倒す方法を探れ~……なんて無責任命令が来てな」
「ああだこうだ言いながらも対策を進めているんだが……、まあ、簡単にわかれば苦労はしないよな」

(RPポイント)

黒瀬「おっと……、そろそろ戻る時間だ」
「そういえば、訓練終わりだったよな?悪いな、世間話に付き合わせてしまって」
「……だが、おまえと話せて少し肩の荷が降りたよ。友人と会話をするというのも息抜きになる」
「じゃあな、おまえもゆっくり休めよ」

そう言って、黒瀬はあなたの肩をぽんと叩き、そのまま廊下を歩いて行く。
あなたも自室に戻り、休息を取ることになるだろう。









――そんな1ヵ月前の出来事を、あなたは思い出していた。
次の日、あなたの耳に届いたのは、黒瀬織葉が研究員を辞めさせられたとの情報。
詳細を聞こうにも、同僚も上層部も、研究員に聞いてもあなたの納得する答えは返ってこなかった。

連絡を取ろうとしても、家に出向いても、黒瀬に会うことはできなかった。
黒瀬が優秀な研究員であることは周知の事実であるはずだし、あなたも友人として理解していた。そんな黒瀬がクビになることなどありえないのだ。

あなたの胸の内に焦りが募る。

すると、突如としてあなたの携帯がバイブレーションを発する。
画面に表示されている名前を見れば、そこにはハッキリと「黒瀬織葉」と書かれていた。

電話に出れば、以前よりもっとやつれた声で――
しかし、なにか強い意志を込めた声が聞こえた。

黒瀬「HO1」
「俺の、同僚を……」
「オズ・シュヴァルツを止めることに、協力してほしい」









[HO2]
現在より21年前

――子供たちがいる。
幼い子供たちが広い部屋の中に集まり、思い思いに過ごし遊び、平穏な時を過ごしている。

ここは、あなたが世話になっている孤児院だ。
オズ・シュヴァルツという人物が院長を務め、宇宙生命体からの被害に遇い、身寄りをなくした子供たちを引き取っている。

あなたがどう過ごそうかと考えていると、部屋の扉が開き、オズが顔を覗かせた。

オズ「HO2、ちょっといいかな」

オズは優しく微笑み、あなたに声をかけた。

オズ・シュヴァルツという男は、優しさもありつつ、どこか抜けたところもある人だった。
子供たちのイタズラによく引っかかり、ホワイトボードに油性ペンで書いてしまったり、頼りないと思いつつも、彼の人柄の良さにはみんな信頼を置いていた。

あなたがオズの元へと行けば、オズは少し声を潜めてあなたに話す。

オズ「実は僕の仕事をちょっと手伝ってほしくて。いいかな?」

・どんな仕事?

オズ「僕が働いている研究所、今人手が足りなくてね」
「軽い事務作業でも猫の手を借りたいくらいでさ。HO2はしっかり者だから、きみに頼りたいんだ」

・いいよ

オズ「ありがとう!じゃあ、僕についてきてくれ」

あなたはオズと共に部屋を出、廊下を歩く。
孤児院から少し離れただけの研究所に足を踏み入れ、あなたはオズについていく。
今まで資料運びなどの仕事は何度が請け負ったことがあったが、内装をまじまじと見るのはこれが初めてだ。

しばらく進むと、オズはある一室の前で立ち止まる。
そこにはオズと同じく白衣を着た研究員が立っており、オズを見ると軽く頭を下げた。

<聞き耳>
成功→
研究員「所長、お疲れ様です」
「準備は整っております」
オズ「ああ、わかった」
といった会話が聞こえた。

オズ「さ、HO2。中に入って」

あなたは部屋の中へと入る。

そこはどこか実験室のような、手術室のような無機質な部屋だった。
部屋の中には数人の白衣を着た研究員が並び、あなたを見下ろしている。
その生気のないような、なにかに憑りつかれたように正気を失った目に、あなたは直感的に恐怖を覚える。SANc 0/1

オズ「人類の未来のために」

後ろから聞こえたオズの声に、あなたは振り向く。

オズの表情は見たこともないほど歪に笑みの形を描いていた。
そして、大きな手のひらがあなたに伸ばされ――。

(KP情報:この直後にニャルラトホテプが現れ、気絶したHO2を連れ黒瀬の元へと連れて行く)





目を覚ます。
目の前に広がる光景はあなたの自室であり、あなたは昔の夢を見ていたのだと自覚する。

夢に見た光景はあなたの過去だ。
あの後、あなたは気づけば黒瀬織葉の家におり、彼があなたの身寄りを引き取ったのだという。
黒瀬にオズのことを聞いたが、引き取りに来たときは院長であるオズは不在だったため、彼のことはよく知らないと返ってきた。
(KP情報:嘘だね。内心「オズのバカヤロ~!」と思ってる黒瀬です)

突然変わった環境に、あなたは黒瀬への警戒心と動揺を感じつつ、彼の家族に加わることになった。
しかし、黒瀬と接していくうちに、次第に家族として打ち解けて行った。

あなたが軍人として勤めるようになると、成果を上げ、評価されてることに一番喜んでいたのは黒瀬だった。
今や、あなたは彼の元で部下として働いている。









[HO3]
あなたは上官に呼び出され、彼のいる部屋まで出向く。
上官は明るく笑み、あなたに話を切り出す。

上官「HO3、おまえの働きを評価し、新たなチームへの所属を命ずる」
「詳細はこれを見てくれ」

上官はあなたに資料を渡す。
率いる上司や隊員の情報を見るに、どうやら相当優秀なチームなようだ。

資料に<目星>
成功→このチームをまとめる指示役である黒瀬織葉という男の顔に見覚えがある。だがそれ以上のことはわからない。

上官「おまえに更なる働きを期待する」
「人類の未来のためにな」
(KP情報:この上官のセリフ自体に深い意味はなく、またこの上官もオズとは無関係。偶然の一致)




あなたは自身のBLACK-TYPEが保管されている施設へ出向く。

コトネ「HO3!」

あなたのBLACK-TYPE――コトネは、あなたが来たことに気づくと、嬉しそうに声を上げた。
コトネとは、あなたに用意されたBLACK-TYPEだ。このBLACK-TYPEとの相性診断をした結果、適正率は100%だった。
しかし、コトネの声はどうやら自分以外には聞こえていないようで、声が聞こえることを言ったら上官に微妙な顔をされたことを憶えている。

コトネはあなたが新たにチームに配属されることを聞くと、心底嬉しそうに声が跳ねた。

コトネ「おめでとう、HO3!私も、HO3のためにこれからも頑張ってサポートするね!」
「HO3の先輩たち、気になるなあ。どんな人がいるのかな」

(RP)

話をしていると、上司からあなたに声がかかる。
そろそろ新たなチームとの顔合わせの時間のようだ。

コトネ「いってらっしゃい、HO3!」

コトネはそう言って、あなたを見送ってくれる。
新たなチームに不安と期待を感じながら、あなたはチームが待つ一室へと向かった。






【本編】

[導入]
探索者たちは、チームが使う用にと与えられた部屋で思い思いに過ごしている。
今日は新たに新人が加わると聞いており、彼/彼女が来るまで暇をつぶしていることだろう。

(RPとかしよう)


話していると、扉が開きあなたたちの上司である黒瀬織葉が入ってくる。

黒瀬「お疲れ。いよいよ新人とご対面だぞ」
「入ってきてくれ」

(全員揃った!RPをしよう)

黒瀬「俺はおまえたちチーム……、(HO1)班の指示役を勤める。黒瀬織葉だ」
「なにか困ったことがあれば、俺でも先輩でもいい。気軽に聞いてくれ」
「そうだな……。せっかく新人が入ったことだし、歓迎会でもやろうか」

・やる~!
黒瀬「じゃあ行きつけの店に予約を入れて――」

突如、部屋中――船内に警報が鳴り響く。
この警報は、宇宙生命体が襲来したという報せだ。

アナウンス「各隊員に通達」
「宇宙生命体による襲撃を確認」
「直ちに出撃せよ」

黒瀬「全員聞いたな」
「BLACK-TYPEに乗り込め、仕事の時間だ」

あなたたちはBLACK-TYPEが収容されている施設へ向かうことになる。



[戦いへ!]
それぞれ自身の機体に乗り込む。
体に馴染むそれは、もはや自身の手足のように動かせる相棒だ。
機体が運ばれ、外へと向けられる。

『出撃準備。5、4、3、2……ゼロ!』

瞬間。あなたたちの機体は宇宙へと飛び出す。

黒瀬『聞こえるか』
『宇宙生命体がいる地点をマークしておいた。そこへ向かい、宇宙生命体を殲滅しろ』

~戦闘ルール~
探索者達は「BLACK-TYPE」という機動兵器に乗り込んでいる。
BLACK-TYPEのHPは一律50。

攻撃は<拳銃>を振ることで弾幕・ビームが打てる。
ダメージは1d10+5
(KP情報:基本的に戦闘で死ぬことは想定しないので、負けそうになったら黒瀬が補給機体を送り込んだりしてHPを回復させよう!

補給機体:技能無しでHP+20)

~宇宙生命体×5との戦闘開始~
宇宙生命体
STR11 CON8 POW8 DEX8 SIZ13 INT2 HP11 MP8

1d2 攻撃選択
1d3 攻撃対象HO
CCB<=30 ビーム
1d6+1 ビームダメージ
CCB<=20 弾幕
1d6+1 弾幕ダメージ

[戦闘終了]
黒瀬『お疲れ、よくやったな』
『別方向にも数体確認しているが、そちらは別のチームが向かっている』
『そろそろ向こうも殲滅が確認されているはずだが――』

その時、あなたたち全員の無線に、別チームからの通信が入る。

『こちらアズマ班!応援要請を求む!』

・どうした!?
『は、班員が突然苦しみだしたとおもったら、こちらに攻撃を向けてきて――』
『やめろ新人!!落ち着け!!』
『――声』
『声が聞こえ――』
『――……人類の未来のために……』

(PCが向かおう!ってなったら)
あなたたちが向かう前に、無線にはノイズが走る。
いくら呼びかけても応答することはなく、沈黙の中黒瀬が呟く。

黒瀬『……駄目だ、生体反応がロストしている』
『(HO1)班、次の任務が来た』
『アズマ班を襲ったBLACK-TYPEを撃破しろ』

新たなマークが追加され、あなたたちはそこへ向かうことになる。


[変異したBLACK-TYPEとの戦闘]
真っ黒な宇宙を走り抜け、目的地へ辿り着くと、そこには一機のBLACK-TYPEが居た。

『ああ……そこにいたんだ、お姉ちゃん』
『なんで、ずっと忘れてたんだろう……』
中にいるであろうパイロットは独り言をつぶやいている。恐らくは彼がアズマ班を全滅させた班員だろう。
(KP情報:オズによって記憶操作されていたぞ!このモブはHO3と同じ実験を受けた元孤児だ)

『人類の未来のために』
『人類の未来のために』
『人類の未来のために』

狂ったように同じ言葉を呟き続けるBLACK-TYPEは、あなたたちへと攻撃を向ける。

~変異したBLACK-TYPEとの戦闘開始~
変異したBLACK-TYPE
STR16 CON15 POW12 DEX13 SIZ15 INT10 HP50 MP12
戦闘後というのもあり、HPは残り20の状態でスタートする

1d2 攻撃選択
1d3 攻撃対象HO
CCB<=30 ビーム
1d10 ビームダメージ
CCB<=50 洗脳
HO3に対してのみ使用する。HO3はPOW*5を判定し、失敗したらSAN-1する。

[戦闘終了]
『人類……未来……の……』
最期まで同じ言葉を繰り返し、彼の機体は爆発する。

【HO1に秘匿】
彼が最後に『オズ……』と呟く声を聞いた。

【HO2に秘匿】
彼が最後に『オズ……』と呟く声を聞いた。

【HO3に秘匿】
コトネ「……HO3」
「彼、もしかして……、HO3と同じ境遇だったのかも」
「私みたいな存在の声が聞こえてたのかもしれない……」
<アイデア>
成功→「声が聞こえる」「新人」というワードから、あなたもその考えに行きつく。


黒瀬『……よくやったな、みんな』
『帰還しろ、あとは他の隊員に任せよう』

あなたたちは船体へ帰還する。

【HO1に秘匿】
黒瀬からあなたに通信が入る。
黒瀬『話したいことがある、あとでおまえの部屋に向かう』




[帰還]
船体へ帰還すると、黒瀬があなたたちを出迎える。

黒瀬「お疲れ。一先ず……おまえたちが無事でよかった」
「……アズマ班のことで色々と騒ぎになっているようだ」
「アズマ班もおまえたちと同じで、今日新人が入ったばかりだったんだ。……こんなことになるとは」
「とりあえず、今日の仕事は終わりだ。自室に戻って休め」

あなたたちは自室に戻ることになる。




[個別秘匿]
HO1

あなたが部屋で寛いでいると、部屋のインターホンが鳴る。
見れば黒瀬であり、中に入れると「邪魔するぞ」と言って片手を上げる。

黒瀬「……HO1」
「おまえは、アズマ班の新人が最期に呟いた名前を聞いたか?」

・聞いた
黒瀬「……オズの実験の成果が、最悪の形で表れ始めたということだ」
「…………」

黒瀬は口元に手を当て、思考している様子だ。

黒瀬「……アズマ班の新人について調べていたが、彼はオズが経営している孤児院出身だ」
「そして、その中でHO3の名前も見つけた」
「……つまりHO3も、彼のように暴走する可能性が高い」
「なにが原因で暴走するかは不明だ。HO1、おまえにはHO3を見守ってほしい」

あなたが了承すれば、黒瀬は「頼んだ」と言って部屋を出て行く。
あなたは体を休めるために、今は就寝を取ることを選ぶだろう。



HO2

夜、あなたは自販機に飲み物を買うために廊下に出ていた。
歩を進めると、どうやら黒瀬も同じことを思っていたらしい。自販機から缶を取り出す姿が見えた。

・声をかける
黒瀬「……ああ、HO2か。どうした?」
黒瀬はいつも通り優しく微笑む。しかしその表情には疲れが見えた。

・疲れてる?
黒瀬「え?……い、いや……、まあ、そうだな……」
「少し、疲れているかもしれないな」
(KP情報:自分は隠し事が上手いと思ってるので、バレてびっくりしてる)

黒瀬「……最近、調子はどうだ?」
「困っていることがあれば、遠慮せずに言ってくれ。出来る限り力になるよ」
「おまえを立派な軍人として育てるのが、俺の使命だからな」

・使命?
黒瀬「……おまえがどう思っているかはわからないが、これでもおまえの親代わりのつもりだからな」
「まあ、父親面をしているんだ」

そうして話していると、黒瀬はあなたの肩を叩いて微笑んだ。

黒瀬「ゆっくり休んで、次の戦いに備えろ」
「おやすみ、HO2」

そう言って、黒瀬は去って行く。
あなたも自室に戻り、休むことになるだろう。




HO3

夢を見ている。

あなたはどこか、広い子供部屋にいる。

周囲には同い年くらいの子供たちが思い思いに遊んでおり、楽しそうだ。
とても平和な光景に見える。

隣を見れば、小さな女の子が絵を描いていた。
画用紙には二人の子供が描かれている。
一人はその女の子で、もう一人は男の子だ。『ことね』と『おにいちゃん』と書かれている。
<アイデア>
成功→『おにいちゃん』が自分に似ているように思える。

オズ「HO3、ことね」

あなたに声が掛けられる。
顔を上げれば、白衣を着た男性があなたを見下ろしていた。

彼はなにかを言う。
あなたはそれに頷き、彼に手を惹かれてついていく。

<目星>
成功→部屋を出る前に、あなたは見覚えのある子供を見つける。

<アイデア+20>
成功→その子供には、HO2の面影があるように思えた。

そのまま部屋を出て、白衣の男について行く。

瞬間、世界が暗転する。
気づけばあなたは真っ白な部屋の中で、複数の白衣の大人に囲まれていた。

その中心に立っていた、あなたをここまで連れて来た白衣の男性は歪な笑みを浮かべ、あなたに手を伸ばす。

オズ「人類の未来のために」

視界が真っ暗になったと同時に、あなたの意識は急激に浮上した。
悪夢を見たことによるSANc 0/1






[アラーム]
突如、船内に警報が鳴り響く。
それは昨日聞いたものと同じだったが、アナウンスの内容が変わっていた。

アナウンス「各部隊に通達」
「無断でBLACK-TYPEに乗り込み出撃した隊員が、暴走により船体を襲撃」
「緊急事態である。即刻対処せよ」

あなたたちはBLACK-TYPEに乗り込み、出撃することになる。

【HO3に秘匿】
あなたはBLACK-TYPEのコックピットへと乗り込む。
しかしコトネの様子がおかしい。
BLACK-TYPEの操縦は問題なく行えそうだが、彼女の声がいつもより元気がない。

・どうした!?
コトネ「……ねえ、HO3」
「私、夢を見たの」
「知らない子供部屋に居て……隣にはHO3がいた」
「白衣の男に連れだされて……そこから、記憶がない」
「でも思い出したの」
「……白衣」
「黒瀬さんが、白衣を着て、あの場に居たこと」
(KP情報:オズを止めるため急いで来た黒瀬のことをオズだと勘違いしている)



黒瀬『目標地点をマークしておいた、直ぐに向かってくれ』
『……上からは“対処しろ”としか言われていない。しかし、説得はほぼ不可能だ。昨日おまえたちも学んだだろうが、そもそもこちらの声が聞こえていない』
『結局は撃破することになるだろう。……仕事の時間だ、(HO1)班』

機体を操縦し、宇宙の海を走り抜ける。

目標地点に到達すれば、目標であるBLACK-TYPEが振り向いた。

『俺……俺は……』
『人類の未来……いや、軍としての誇りを……』
『……カナデ……』
『BLACK-TYPEにいるんだ、俺の、妹……』
(KP情報:このモブの妹である)

【HO3に秘匿】
彼の声を聞き、彼が別チームへ新人として入ったばかりである同期であることを思い出す。

暴走した隊員が同期であること。
BLACK-TYPEから声が聞こえること。
そして、「人類の未来のために」という言葉。

あなたは、自身もいずれ暴走し、チームを壊滅させてしまうのではないかという考えに至る。SANc 1/1d3



【戦闘開始】
~変異したBLACK-TYPEとの戦闘開始~
変異したBLACK-TYPE
STR16 CON15 POW12 DEX13 SIZ15 INT10 HP50 MP12
戦闘後というのもあり、HPは残り20の状態でスタートする

1d2 攻撃選択
1d3 攻撃対象HO
CCB<=30 ビーム
1d10 ビームダメージ
CCB<=50 洗脳
HO3に対してのみ使用する。HO3はPOW*5を判定し、失敗したらSAN-1する。

戦闘中、あなたたちはいつでも<アイデア>を振ることができる。
HO3のみ<アイデア+20>で振ってもらう


[<アイデア>に成功した]
HO1・HO2
彼はHO3に対して、なにか交信を行っているように見える。
HO3がなにか行動を起こせばいいのだろうか?

HO3(共有された時点で秘匿を送信していい)
【HO3に秘匿】
あなたは耳を澄ます。
彼のBLACK-TYPEから、声が聞こえる。

カナデ「お願いハヤト、しっかりして!」
「正気に戻って……!お願い!」
「お願い、この声が聞こえてるなら……ハヤトを止めて……!」

コトネ「HO3、私たちのほうから彼の機体に交信を行ってみるのはどうかしら!?」
「もしかしたら声が届いて、止めれるかも……!」
「やれるかわからないけど……、やってみる!」

あなたとコトネは、彼に届いてくれと願いながら交信を行う。

HO3は1d100を振る。
(KP情報:フレーバーダイスです!どんな値でも交信は成功し、ハヤトは正気を取り戻します)



――静寂。

攻撃を行っていたBLACK-TYPEは静かになり。――そして。

『……お……俺は……』
『……俺はなんてことを……』
『あ、あなたたちが助けてくれたのか……?』

黒瀬『正気に戻ったのか……!?』
『いったいどうやって……』
『……いや、詳細は後で聞こう。とにかく全員帰投してくれ、よくや――――』

瞬間、黒瀬の通信からザザッと耳障りなノイズが走る。

・黒瀬!?
オズ『……やれやれ、相変わらず僕の邪魔ばかりするじゃないか、黒瀬』

黒瀬の代わりに聞こえて来たのは、違う男性の声だ。

【HO1に秘匿】
あなたは直感的に、黒瀬がオズに襲われたのだと気づく。

【HO2に秘匿】
あなたはこの声を知っている。

あなたが父親だと慕い、懐いていた、孤児院の院長――。
オズ・シュヴァルツだ。

【HO3に秘匿】
あなたはこの声を知っている。

コトネ「……違う」
「あの日私たちを連れだしたのは、黒瀬さんじゃない」

自分たちの手を引き、複数人の白衣の大人の中心に立っていた人物。
そして、あなたが育った孤児院の院長だった人物だ。


・誰!?
オズ『僕のことが知りたかったら、帰って来るといい』
『といっても、無事帰って来れたらだけどね』

あなたたちの前に、数機のBLACK-TYPEが現れる。見たことのない機体だ。
この機体を突破せねば、帰ることができない。あなたたちは再び戦闘体制を取る。
(KP情報:オズの部下)

【戦闘開始】
~謎の機体との戦闘開始~
謎の機体
STR16 CON15 POW12 DEX13 SIZ15 INT10 HP50 MP12

1d2 攻撃選択
1d3 攻撃対象HO
CCB<=30 ビーム
1d10 ビームダメージ

【HO2に秘匿】
急激に頭が冴えていく感覚がする。
焦りからか、不安からか、それとも生粋の軍人であるが故か。
もはや、あなたの機体はあなたの手足同然だ。

全ての技能に+10の補正。
更にダメージに+5の補正が入る。


【HO1に秘匿】
黒瀬『……』
『……HO1、聞こえるか?』

・大丈夫かお前!
『なんとかな。ただオズは本格的に俺を殺すことにしたそうだ』
『ということで、今俺もBLACK-TYPEに乗って逃げている』
『オズもじきに追いかけてくるだろう』
『なるべく早く助けに来てくれ』

・OK!
『助かるよ』
『……はは、本当に。おまえにはいつも助けられている』
『知ってるか?俺にとって、おまえはいつだってヒーローだってこと』
『待ってるぞ、ヒーロー』

そうして、通信が切れた。




[撃破]
戦闘を終えるが、次いであなたたちの目を引いたのは救援要請だ。
二機のBLACK-TYPEが争っている様子が見受けられる。

[救援]
目的地に辿り着けば、マップで見た通り、二機のBLACK-TYPEが争っていた。
争っている というより、片方はひたすら守りに徹している。シールドを張り、攻撃を極力受けないようにしている様子だ。
しかしそれもまもなく剥がれるだろうという様子が見て取れる。

戦いを止めるためには<回避>で庇う、あるいは攻撃をしている機体に対し<拳銃>

・戦いを止める
黒瀬『来てくれたか……!』
『遅いぞ、もう駄目かと思ったところだったんだ』

オズ『……黒瀬の部下だけあって、さすが、僕の邪魔をすることに特化していると言える』
『久しぶりだね、HO2、HO3。僕はきみたちの親代わりだったんだよ、憶えているかい?』
『憶えていたら、正直困る。だから、ここでおまえらをまとめて消さなきゃならない』
『それからHO1……、おまえはずっと黒瀬に協力していたんだろう』
『まったく、どいつもこいつも……』
『僕は人類の未来のためにやっているんだ!』
『BLACK-TYPEの適正率を上げ、より効率よく宇宙生命体を倒すにはこれしかない!』
『協力してくれた子供たちには申し訳なく思っているよ、けれど人類の未来のための糧になるんだ、光栄なことだろう!?』
『どれもこれも、イス人のおかげだ!僕の意向に逆らうヤツは皆殺しだ!』

黒瀬『……ッ、オズ……』
『……やるぞ、おまえたち!』

【戦闘開始】
~オズ・シュヴァルツとの戦闘開始~
オズ・シュヴァルツ
STR16 CON15 POW12 DEX13 SIZ15 INT10 HP80 MP12

1d2 攻撃選択
1d3 攻撃対象HO
CCB<=30 ビーム
1d10 ビームダメージ
CCB<=50 洗脳
HO3に対してのみ使用する。HO3はPOW*5を判定し、失敗したらSAN-1する。

【HO3に秘匿】
コトネ「……思い出した」
「HO3、私たちは兄妹だったのね」
「あの時、オズ院長は私たちを連れだして、私たちは実験体にされたの」
「私の精神はBLACK-TYPEと一体化して……。だから、私とHO3は、適正率が100%だったのね」

コトネは零すように呟く。
そして、暖かな手があなたの髪を撫でた。
そこに本当に手があるわけではない。けれど、確かにコトネの温度を、あなたは感じた。

コトネ「このままオズに好き勝手させたままだと、また子供たちが犠牲になるかもしれない」
「止めれるのは、私たちしかいない」
「HO3、私は全力であなたのためにサポートする」
「だから、あなたの全力で戦って」

全ての技能に+10の補正。
更にダメージに+5の補正が入る。



[戦闘終了]
オズ『ば……馬鹿な……』
『人類の未来……僕は……』

機体が爆破する――。

――と思われた瞬間、オズの機体が修復されていく。

黒瀬『まさか、機体にもなにか……!?』

しかし、オズは依然として気絶しているようだ。
不思議に思っていると、黒い宙から突如裂け目が生まれた。
その裂け目は広がり、中から男性とも女性とも取れる、美しい人間が現れた。
人間――生身で宇宙に降り立つ存在を、そう表して良いのだろうか。
明らかに異常な光景を見たあなたたちはSANc 1d3/1d5

黒瀬『……驚いたな、十数年ぶりか』
ニャルラトホテプ「久しぶりだね、随分成長したものだ」

異様な存在は、黒瀬とHO2を見て言う。

ニャルラトホテプ「遅くなったが、約束を果たそう」
「私は気分がいい。オズを止めるだけじゃなく、オズの実験を受けたものの脳を元通りにしよう」
「全てが丸っと収まって、ハッピーエンドってことさ」
「そこでだけど、HO3」
「きみの妹をどうしたい?」
「人間の身体を取り戻させ、生身として過ごすこともできる。しかしきみが望むなら、BLACK-TYPEに精神体のまま宿らせよう」
(KP情報:どっちでも結末は変わらない。コトネはHO3と居れることが望みなので、どっちを選んでも喜ぶ)

・答えた
ニャルラトホテプ「……そうかい、わかったよ」
「ああ、本当に」
「息子/娘の成長っていうのは、嬉しいものだね!」

周囲が光で包まれる。
目を開けていられないほどの光に、あなたたちは目を閉じるだろう。









[エンディング描写]
オズ・シュヴァルツの行いが明るみになり、上層部は彼を犯罪者として逮捕した。
それにより、研究所は解体。孤児院は黒瀬織葉が引き継ぐことになった。
隊員が暴走するという事件も、以降報告に上がることはなかった。

HO1視点
黒瀬「世話になった」

黒瀬から渡されたのは、茶封筒だった。
重みからそれなりに金額があるのがわかる。

・これは?
黒瀬「おまえには本当にたくさん迷惑をかけたし……、まあ、なんというか、お礼の気持ちだ。受け取ってくれ」

・お金なんていらんが?/わーいお金だ!
黒瀬「……開けてみろ」

茶封筒を開ける。
中身を出せば……出て来たのは板チョコのパッケージだった。

・え?
黒瀬「ふ……、くく……」
「糖分は必要だろ?」
「これからも世話になるぞ、ヒーロー」

呆れるか、怒るか、それはあなた次第だ。
黒瀬は晴れやかな笑顔を見せ、来た道を戻って行った。



HO2&HO3視点
HO3は自身のBLACK-TYPEを見上げる。

・コトネが人間に戻った場合
しかし、その機体からもう声は聞こえない。

代わりに、あなたの隣には、あなたと同じ背丈になった妹――コトネが立っていた。

・コトネがBLACK-TYPEのままだった場合
あなたにしか聞こえない声は、未だ建材だ。
しかし、あなたと彼女は別れ行くことなく、そばにいるままだった。


すると、そこにHO2が通りかかる。

(RPしよう)

黒瀬「HO2、HO3」

あなたたちが話していると、黒瀬から声がかかる。

黒瀬「随分遅くなったが……、これからHO3の歓迎会をしようと思ってな」
「盛大なお祝いはできないが、おまえの入隊を心から歓迎する。仲間として」






あなたたちは今日もBLACK-TYPEに乗り込み、宇宙生命体と戦っている。
生活を脅かす存在は未だ絶えることはない。
それでも、あなたたちは軍人として戦い続ける。
生活を、日常を守るために。
帰る家を守るために。


全生還
END「BLACK-TYPE」

報酬
SAN回復 1d10



【あとがき】
宇宙戦争が大好きです。

自作発言・二次配布禁止