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※注意※当作品に含まれる成分表。暴力/流血/倫理観の欠如/人外化/年齢が非常に若い刑事などのファンタジー設定
一次創作 2025.12.17 No.48
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一時的な避難のために、柑橘へ訪れた夏生たち。
真冬は千秋が心配だからと言い、彼らとは別れヴィルトゥスへと戻って行った。
「まずいことになったわね……」
「まずいどころじゃないですけどね」
「どうするんです、これから」
「気になることは山ほどあるが」
「さっき、夏生とぶつかった研究員っぽい男が気になる」
「……シーカー002」
「なんでアイツが夏生をシーカーと呼んだのか……」
「夏生、どういう意味かわかるか?」
「……正直なところ、俺もよくわかってないんだ」
「憶えているのは、目が覚めた時に研究所らしき場所にいたこと」
「そこには培養槽がたくさんあって、人型のものもあればモンスターみたいなものもあった」
「今思えば、さっき見たシーカーに形が似ている気がする」
「俺の頭には制御装置みたいなものが付けられていて……」
「そこには確かに、seeker-002って書かれていたんだ」
「それで、研究所を逃げ出した先で私と会った……」
「うん」
「なにもわからないし、怖い場所だったし」
「とにかく人気のある場所まで逃げようって走って……」
「ま、まあ途中で見つかって、変な人たちに追いかけられたんだけど」
「アレって誰だったんだろう?」
「シーカーを開発しているのがディルクロ社なら」
「ディルクロ社の構成員でしょうね」
「夏生はおそらく、シーカーとして作り出された存在……」
「逃げ出すことは想定外だったんじゃないかな」
「うおお……」
「……なるほどな、状況は把握した」
「一応、確認したいことがある」
「……なに?」
「これまでに、暴走しそうになったとか」
「我を忘れた瞬間とか」
「攻撃的になった瞬間……とかはあるか?」
「返答によっては、俺はおまえを止めるために」
「C課として、人を守るために……」
「……おまえを撃たないといけないかもしれない」
「し、柊一さん……!」
「いいよ、朔良」
「出会って少ししか経ってないけど、柊一は真面目なひとだってわかってるよ」
「だから隠さずに言う」
「“これから”どうなるかはわからないけど……」
「今のところ、自我を失ったことはないよ」
「そうだね、私から見ても」
「自我を失ったりするところは見たことがない」
「オーケー。ならよし」
「……おまえがシーカーだってバレたら、上から色々言われるだろうけど」
「そんときゃ、俺がなんとかする」
「とりあえず」
「今はもう一度ディルクロ社に行って、社長と会う」
「あとはあの研究員と話が出来りゃいいんだが」
「この異界じみた世界を元に戻さないとな」
「了解」
「おっけー!」
「なら、ディルクロ社内の地図を渡しておく」
「あとは、社長室に入れるマスターキーね」
「無敵すぎません?」
「貰っておく」
「十日以外の警察にこんなことするなんて、初めてだよ」
「活躍を期待してるね、柊一くん」
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