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Re;dREgina 第5話

#Re;dREgina
※注意※
当作品に含まれる成分表。
暴力/流血/倫理観の欠如/人外化/年齢が非常に若い刑事などのファンタジー設定


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chiaki 【大槻千秋】
「お願いします、社長に会わせてください!」
「緊急事態なんですよ」
「どういう意味か説明していただかないと……!」




npc 【受付嬢】
「そ、そうは言われましても」
「社長からは誰も通すなと……」




ディルクロ社内、大槻千秋が受付嬢に対し必死に詰め寄っている。
社内は混沌としており、慌ただしく社員が動き回り、または逃げ場所を探そうとしている。

そんな中、千秋を探しに来た真冬がディルクロ社に訪れた。




mahuyu 【大槻真冬】
「千秋!!」
「おまえなにしてんだ、こんなところで……」



chiaki 【大槻千秋】
「どうもこうも」
「シーカーについて社長から話を聞かないと」
「よくわからないけど、ディルクロ社がシーカーに関わってるなら……」
「今起こってることだって、なにか知ってるかもしれない」


mahuyu 【大槻真冬】
「だからって一人でディルクロに行くなよ!」
「もしそうだとしたら、相手になにされるかわかったもんじゃ……」






npc 【ディルクロ社員】
「う、うわあああッ!!」




npc 【ディルクロ社員】
「ば、化け物!!」

「誰か助けてぇ!!」





npc 【受付嬢】
「な、なんですか、あれは……!」





chiaki 【大槻千秋】
「あ、あれが……シーカー……?」




ディルクロ社内から突如現れたシーカーが、周囲の物品や壁を破壊しながら歩いてくる。
そのシーカーは、いくつも人間を飲み込むように取り込み、人間たちで形を作っている異様な化け物だった。

千秋にはその顔に見覚えがあった。
かつてヴィルトゥスで働き、そしてディルクロに引き抜かれていった社員たちだ。



――一方で、真冬にも見覚えのある顔がある。




mahuyu 【大槻真冬】
「……十日」




飲み込まれたシーカーの中に、この事件の発端となった人物。
松岡十日の姿があった。







☆☆☆








夏生たちはディルクロに到着する。
しかし彼らを出迎えたのは、恐ろしいほど静かなエントランス。そして、何者かが暴れまわったような荒れた光景だった。


syuichi 【鈴鹿柊一】
「まさか、シーカーがディルクロの中に……」

sakura 【明星朔良】
「さ、さっきから真冬さんと連絡つかないんですけど……!」
「まさかシーカーにやられちゃったんじゃ……」




chiaki 【大槻千秋】
「あっ!!」




その時、走ってくる音が聞こえた。
次いで現れたのは、ヴィルトゥスの社長 大槻千秋の姿だ。

彼はぜえはあと息を乱し、そして柊一にしがみつく。




chiaki 【大槻千秋】
「た、助けてください!!」
「兄さんが……兄さんが今シーカーと戦ってて……!!」



syuichi 【鈴鹿柊一】
「なに……!?」



chiaki 【大槻千秋】
「奥の倉庫にいます!!」
「こ、このままだとシーカーにやられてしまう……!」


sakura 【明星朔良】
「わ、わかりました!」
「社長はとにかく安全な場所に隠れて!」







☆☆☆






natsuo 【獣地夏生】
「真冬さん!大丈夫……、」


夏生らは倉庫まで辿り着く。そしてその異様なシーカーを見て言葉を失くした。




syuichi 【鈴鹿柊一】
「……十日!?なんで……」



mahuyu 【大槻真冬】
「おせえぞおまえら!」
「見た感じ、こいつの原動力となるコアがあるらしいんだが」
「人間が覆い隠すみたいに集まってて撃てねえ!」


sakura 【明星朔良】
「この人間たちって、生きてるんですか……!?」


mahuyu 【大槻真冬】
「多分生きてる」
「十日も生きてる……おそらくだけど」
「シーカーに繋がれて生命力が復活したんだろうな」




シーカーは腕を振り上げ、夏生ら目掛けて振り下ろす。




natsuo 【獣地夏生】
「うわあっ!!」



syuichi 【鈴鹿柊一】
「チッ……!」
「コアをなんとかすりゃいいんだな!?」

sakura 【明星朔良】
「なんとかすりゃいいんでしょうけど、なんともできないから困ってるんでしょ!」



シーカーの猛攻は続く。



棚が倒され、それは真冬が避けた先目掛けて落ちてくる。
頭上が暗くなり、真冬は限界は悟り目を瞑る。



sakura 【明星朔良】
「真冬さん!!!!」





……しかし、いつまで経っても衝撃は訪れない。
恐る恐る目を開ければ、驚くことにシーカーが真冬を庇っていた。





toka 【松岡十日】
「間一髪ってやつだな、真冬」





mahuyu 【大槻真冬】
「十日……!?」
「おまえ、意識あるのか!?」



toka 【松岡十日】
「どうやら、このシーカーは全員と意識を共有してるらしい」
「だから俺たちが眠っている必要があったんだ」
「動きを邪魔されないようにね」



toka 【松岡十日】
「俺が核を開く」
「けど意識を保つだけで必死だ」
「一発で打ち抜いてくれよ、柊一」





syuichi 【鈴鹿柊一】
「……撃ったらおまえはどうなる」




toka 【松岡十日】
「さあ」
「もう一度死ぬんじゃないかな」


natsuo 【獣地夏生】
「十日さん……」






toka 【松岡十日】
「夏生くん、これだけは憶えててほしい」
「誰がなんと言おうと、きみは獣地夏生というひとりの人間だ」
「御前が名前を与えてくれたのなら、きみはそれだけで人間だよ」





十日がそう言うと、コアを取り囲んでいた人間たちは次々に腕を下ろし、開かれるようにして中身を曝け出す。
そこには人間の心臓のように、赤く脈打つコアがあった。





syuichi 【鈴鹿柊一】
「当たれ……!」




柊一は、真冬から受け取った銃を構え――目の前のコア目掛けて撃ち抜く。
それは照準がブレることなく、真っ直ぐにコアをぶち抜いた。宝石が砕ける瞬間のように四散し、飲み込まれていた人間たちが解放される。



sakura 【明星朔良】
「……!!」



倒れた人々に駆け寄った朔良は、彼らの顔色を見て気づく。




sakura 【明星朔良】
「柊一さん!救急車……は動くかわからないか……」
「救護班でもなんでも、動けそうな人っています!?」


syuichi 【鈴鹿柊一】
「瑞稀、どうだ」




mizuki 【敷織瑞稀】
『急に連絡よこしたと思ったらなんや~!』
『手回せそうなのなら何人かおるで!』




sakura 【明星朔良】
「ディルクロに向かってください!」
「このひとたち、まだ息がある!」



natsuo 【獣地夏生】
「え!?」

「十日さん……!!」




toka 【松岡十日】
「コアに繋がれて、一時的にもシーカーの治癒力が移ったのかも」
「う、もう意識朦朧だから……」

natsuo 【獣地夏生】
「ご、ごめん!ゆっくり休んで!」




mahuyu 【大槻真冬】
「ここは俺に任せろ、おまえらは行くとこがあるんだろ?」





真冬がそう言うと、夏生たちは顔を見合わせる。


syuichi 【鈴鹿柊一】
「ディルクロの社長……」

mahuyu 【大槻真冬】
「千秋も会おうとしてたが」
「おまえらが行ったほうがきっといい」
「気を付けろよ」




natsuo 【獣地夏生】
「うん、行ってくる!」





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