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一次創作 2026.1.9 No.58
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人間のサイボーグ化、発達した人工知能、巨大複合企業による都市支配が進行している。
インターネット上では、政治や国の未来を憂う論争が日々行われているが、日常を謳歌している人間が存在しているのもまた事実……。
そんな中、近頃C.onでは不可解な連続殺人事件が発生していた。
被害者は四肢を固定され、美しく着飾られ壁に飾られている。
誰が言い出したか、それは「標本事件」と称され、今世間を賑わせているのだ。
更には世間で大流行のゲーム「Collection」のほうでも奇妙な事件が浮上していた……。
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「……おい」
「起きろ、聞こえているんだろう?」
真っ暗な視界、どこか揺蕩っている意識。
そこに光が差し込むように、声が降ってくる。
ぼんやりしている場合ではない気がして、その声を探して糸を辿る。
そしてそれを掴んで――
浮上した。
「起きたか」
「悪いが悠長にしている時間はない、さっさと行くぞ」
「え?」
目の前には先程戦ったはずのライカンがいる。
ライカンは曰を一瞥したままどこかへ行こうとし、それを隣に立っている男が引き留めた。
「まあまあ、待たないかライカン」
「急にプレイヤーとの意識を切られたんだ、彼だってなにがなんだかわかってないだろう」
「(意識を切られた?)」
「(こいつらなにを言って……、……あ!?)」
まるで雷が降ってきたように気づく。
今自分はプレイヤーキャラクターではない。
操作しているはずのプレイヤーである「終点焉」はおらず、「終点曰」としての意識がそこにあった。
「プレイヤーがいないのに、“俺”が動いてる……!?」
「お、気づいたみたいだな」
「私はロウリー、こっちはライカン」
「私たちはCollectionに登場するNPCだ、ゲームの中にしか存在しない架空のキャラクター」
「しかしどういうわけか、自我なんてないはずのキャラクターがこうして自我を持っている」
「私たちはCollectionに異変が起きてると見て、調査してるんだ」
「へえ」
「それは別にいいけどよ、俺が犯人っつって襲ってきたのはどういう了見だ?」
「言っとくけどマジで関係ねーからな、プレイヤーのリアル職業は警察だし」
「Collection内では終点曰は最強だと名高いプレイヤーらしいな」
「運営からも一目置かれている。おまえがなにか関わっているんじゃないかと思ったんだが」
「廃人レベルで遊んでいるだけのゲーマーが運営に関われるなにかを貰ってるわけねーだろ!!」
「……それで?怪しいってだけで俺と焉を分離したのかよ?」
「人手が欲しいってお願いしたのは私なんだ」
「きみほど力があるキャラクターであれば、捜査に有利になると思ってね」
「終点焉にはリアルの調査を、終点曰はCollectionの捜査を行う」
「これで良い感じに二手に別れることができると思うんだが、どうかな?」
「はーなるほど」
「でも俺らはそれをどうやって焉に伝えりゃいいわけ?」
「向こう今頃混乱してると思うけど」
「きみはラッキーなことに優秀な人材と知り合っているからね」
「彼に頼んで、焉には説明してもらう」
「ユーリと友達でよかった~」
「悠長に話してるヒマはないぞ」
「これ以上被害を拡大させない」
「そうだな、ライカン」
「では行こうか、曰」
「はいはい」
「ところでどこ行くの?」
「今から少しだけデータを弄って……」
「Collection内部へ侵入する」
#Collection
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