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No.10

BLACK-FIRE 本文2P目

翌日。

あなたは上官であるイトイから呼び出しを受けていた。
それなりに地位がある者特有の整えられ、豪華さの見える部屋だ。
イトイの性格もあり、派手さはあまり見えない。

イトイ「よく来たな、PC」
「早速だが、本題に入ろう」
「おまえの見た黒い機体のことだが……」
「あれは恐らく、BLACK-FIREと呼ばれる傭兵だ」

・BLACK-FIRE?/傭兵?
イトイ「様々な基地や企業から依頼を受け、それをこなし金を得ている。それが傭兵だ」
「様々な場所から目撃情報があり、また依頼をしたと言う企業も見かける。それらから傭兵だという認識が広まっている」
「あの機体は火炎放射器を持っているようでな、宇宙生命体を焼き尽くす様からBLACK-FIREという通り名がついたそうだ」
「ヤツのことは不明な点が多い、今回はたまたまこちらに危害を加えなかったからよかったものの、次会った時は我々にとっては敵かもしれん。気を付けろよ」
(KP情報:イトイはグレイスとは旧知の仲であるため、BLACK-FIREの正体も知っているし危害を加えるようなことはないだろうということもわかっている。ディー・ナイン内通者であることを悟られないためにあえて素知らぬフリをしている)

イトイ「話は以上だ。戻ってもらって構わない」

あなたは部屋を出る。
今日は休日であるため、自由に行動しても構わない。

【探索箇所】休憩室/食堂/自室


[休憩室]
清掃員のおかげで清潔さが保たれている部屋だ。
部屋の気温や空調も整っており、聴いていて邪魔にならない程度の音量でヒーリングミュージックがかけられている。
気温はあなたにとっては丁度いいが、寒いと感じる人の為にブランケットも用意されている。
近くにはドリンクとアイスの自販機もある。

<目星>または<聞き耳>
成功→近くにあなたの同期であるキラ、それと医療主任のナノイがいるのを発見する。

ナノイ「だから仕様もない遊びは程々にしろと言っているんだ。おまえはそれでいいかもしれんが、置いて行かれた仲間たちの気持ちも考えろ」
キラ「はいはい」
ナノイ「今回は偶然BLACK-FIREが敵対していなかったからいいものの、もしヤツがこちらに攻撃していたらどうするつもりだ。PCとおまえを喪ったらディー・ナインは大きな損害だぞ」
キラ「わかった、わかったよ。確かに訓練は遊びじゃなかったな、申し訳ありませんでした」

どうやら昨日の模擬戦前、あなたとキラが競争したことを叱られているようだった。
ナノイは特進種パイロットの健康管理も行っている。
あなたも幾度となく彼に世話になっており、普段から怪我や健康には気を付けろと口酸っぱく言われている。

彼らに話しかけることでRPができる。
(しなくてもいいよ)

~キラとナノイとできる会話例~
キラ「やあPC!昨日は模擬戦ができなくて残念だったよ。今度また予定が立ったら全力で戦おうじゃないか」
ナノイ「……程々にしろよ。おまえたちが本気でやったら殺し合いになりかねん」

ナノイ「ところでPC、特に体調に変わりはないか。季節柄、体調を崩す市民は多いからな」
「特進種は一般人と身体の作りが違う。……正しくは作りを変えられたものだが、その影響で丈夫にはなっているからな。滅多に風邪を引くことはないだろう」
「だが万が一というのもあるし、まだ特進種についてわからないことも多い。少しでも気になることがあったら報告してくれ」

(RPに満足したら・あるいはRPしない場合)

キラとナノイに対し<目星>
成功→一瞬、あなたにとって見えづらい位置でナノイがキラになにかを手渡したのが見えた。
(KP情報:このことについて追及しても、現時点で二人がディー・ナインについての機密情報を教え合っているということは決して明かさない。<心理学>を使うという宣言があった場合は、カルミアから呼び出しがあった・カルミアがミスで通信を送ってしまったなどで妨害しよう カルミアを巻き込むな)

[食堂]
主にパイロットたちが使用する広い食堂だ。
食券を買う、あるいは事前にモバイルオーダーをすることにより食事が出される。

<聞き耳>
成功→若いパイロットたちの会話が聞こえる。
「上層部にスパイが紛れ込んでるって噂ってマジなのか?」
「俺もよく知らねえけど、どうやら『ブルーバード』が介入してるらしいぜ」
「『ブルーバード』?」
「どこにも所属せず、企業や基地から依頼を受ければどこの情報も盗んできて、依頼者に受け渡すスパイだよ。情報屋としても有名らしいぜ?俺は金貰えば平気で情報を流すヤツなんか信用できねーけどな」

[自室]
あなたに与えられた個室の部屋だ。
定期的に掃除ロボットが部屋を清掃するため、常に清潔さが保たれている。
部屋にはあなたが好きな本や家具なども置かれている。

【探索箇所】テレビ/雑誌

・テレビ
テレビを付けると、昨日ディー・ナインの基地でBLACK-FIREが現れたことがニュースとして取り上げられていた。
同時に宇宙生命体も出没していたため、近日中に宇宙生命体と軍隊との戦闘が繰り広げられるであろう予測もされている。
(KP情報:市民にとって宇宙生命体の襲撃は、お天気予報を聞くような感覚である)

・雑誌
あなたは暇つぶしにと本棚から雑誌を一冊取り出す。
見ればそれは今より一年前にポストに投函されていた雑誌だった。

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【研究施設「アルカロイド」の所長はマッドサイエンティストだった】
長年BLACK-TYPEと宇宙生命体を研究し、戦闘効率上昇の貢献していた研究施設「アルカロイド」の所長 オズ・シュヴァルツ氏が、孤児院で引き取っていた子供を利用し研究材料にしていたと発覚し、逮捕された。

彼は「人類の未来のためだった」と供述し、罪を認めている。
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(全ての探索箇所を回ったら)
突如、船内に警報音が響き渡る。

カルミア「PC!こちらカルミア、応答してください!」
「宇宙生命体の大群がディー・ナインに迫っています、今すぐ出撃準備をしてください!」

あなたは格納庫へ向かう。
イトイは全員が揃ったのを見ると、声を張り上げる。

イトイ「既に聞いたと思うが、宇宙生命体の大群がディー・ナインに迫っている」
「ディー・ナインの未来、そしてなによりも市民の安全はおまえたちにかかっている」
「おまえたちの使命は宇宙生命体の殲滅だ!一匹残らず排除しろ!」

イトイの号令に、全隊員が自身のBLACK-TYPEに乗り込み出撃する。

宇宙の黒い海を走っていけば、遠い向こう側から無数の宇宙生命体が、波のように迫っているのが見えた。
それは宇宙の悪意であり、殺意そのものである。今あの生物たちは、あなたたちを喰らおうと、こちらへ歩みを進めている。SANc 0/1

[戦闘ルール]
探索者は機動兵器「BLACK-TYPE」に乗っている。生身より遥かに頑丈でできているため、HPは50とする。
攻撃は全て<拳銃>で行う。ダメージは1d10+5。
<回避>は通常通り行うが、ディー・ナインに帰投するまで<応急手当>や<機械修理>による自身や他者への機体の回復は行えない。

【宇宙生命体×4との戦闘開始】
STR5 CON7 DEX5 SIZ17 INT5 HP11 MP9

1d2 攻撃選択
CCB<=20 弾幕
1d5 弾幕ダメージ
CCB<=20 ビーム
1d5 ビームダメージ

―――

【キラ】※戦闘お助けNPC
STR12 CON14 POW16 DEX13 APP12 SIZ15 INT16 EDU14
HP15 MP16 SAN80 アイデア80 幸運80 知識70
※BLACK-TYPEに乗っているため、HPは50

CCB<=80 拳銃
1d10+5 拳銃ダメージ
CCB<=60 回避


(KP情報:戦闘で死ぬことは想定していないため、キラとPCの体力が残り少なくなったらカルミアとイトイから補給機体を送られるなどして体力を回復させよう!

補給機体:技能無しでHP+20回復)


【戦闘終了】
あなたたちは周囲の宇宙生命体の殲滅に成功する。
周囲を見ればなんとか乗り越えれたようで、ディー・ナインの勝利を確信するだろう。
しかし。

カルミア「待ってください!この反応は……!!」
「巨大宇宙生命体の接近を検知!!皆さん、戦闘体制を保ってください!」

その声を聞き、あなたは前を見る。
ゆらりと巨大は触手が、遠くの岩から伸びてくるのが見えた。

それは、BLACK-TYPEを優に超えるほどの巨大な生物だった。

タコのような頭部をし、胴体は胎児のように丸まっている。
二本の触手が岩を砕き、そしてそれは徐々にあなたたちのほうへ近づいてくる。
SANc 1d3/1d5
(KP情報:クトゥルフではなく、ただ単にめちゃくちゃ巨大な宇宙生命体です。神話生物ではないため、正気度減少は少な目です。)

キラ「これは……、俺たちだけで対処できるのか……!?」

思わずといったように、キラが絶望的に言う。

その時、あなたとキラの機体が、見知らぬ通信を受信した。

K-9「おまえがディー・ナインのエースパイロットか」
「仕事を請け負った。あの巨大宇宙生命体を排除する」
「おまえたちに協力しよう」

それは、昨日みた黒い機体――BLACK-FIREだ。
(KP情報:イトイがグレイスに救援要請を出した)

【巨大宇宙生命体との戦闘開始】
DEX3 HP50

回避無し
CCB<=20 触手
1d10 触手ダメージ

―――

【キラ】※戦闘お助けNPC
STR12 CON14 POW16 DEX13 APP12 SIZ15 INT16 EDU14
HP15 MP16 SAN80 アイデア80 幸運80 知識70
※BLACK-TYPEに乗っているため、HPは50

CCB<=80 拳銃
1d10+5 拳銃ダメージ
CCB<=60 回避

―――

【K-9】※戦闘お助けNPC
STR16 CON17 POW14 DEX15 APP6 SIZ17 INT13 EDU9
HP17 MP14 SAN70 アイデア65 幸運70 知識45
※BLACK-TYPEに乗っているため、HPは50

CCB<=80 拳銃
1d10+5 拳銃ダメージ
CCB<=80 火炎放射器
1d10+5 拳銃ダメージ
CCB<=80 回避

―――

【戦闘終了】
最後の一撃を入れると、巨大宇宙生命体の動きが徐々に鈍くなり、塵となって消えて行った。

キラ「……なんとか倒せたな」
「ええっと……あんたがBLACK-FIREか。助かったよ」
K-9「仕事を全うしただけだ、大方はそいつの功績だろう」

と言って、BLACK-FIREはあなたへと視線を送る。

(RPができるよ)

あなたたちが話している最中だった。
突如として複数体のBLACK-TYPEがあなたたちの周囲を取り囲む。

<目星>
→機体にディー・ナインのエンブレムが貼られているのが見える。

「我々はディー・ナイン所属警備隊である」
「ディー・ナイン基地内に無断侵入したとして、貴様の身柄も確保させてもらう」

キラ「おいおい、本気で言っているのか?彼はディー・ナインの危機を救ってくれたんだぞ」
K-9「……」
「……承知しました」

K-9は独り言のように呟くと、「わかった。指示に従おう」と言って警備隊についていく。

「それからそこの隊員2名、貴様らも聴取を取る。ついてこい」

そう言って警備隊は、あなたとキラも同行するように施すだろう。





あなたは警備隊と事情聴取を行った。
といっても、内容はBLACK-FIREとの関りはあるのかといったことで、周辺を軽く調べた結果怪しいデータはないと結論付けられた。
(KP情報:キラの情報はイトイがなんとか隠してくれました。よかったね~)

部屋を出ると、待機室にBLACK-FIREと、見知らぬ男性の姿があった。
男性はあなたを見ると、穏やかに笑みを浮かべて声をかける。

グレイス「おまえがディー・ナインのエースパイロットか」
「うちの傭兵が世話になったな。俺はグレイスという。こいつの上司とでも思ってくれたらいい」

・BLACK-FIREの名前
グレイス「どうやらそういう通り名がついたようだな。K-9という名前があるんだが」
K-9「……それも識別番号ですが」
グレイス「本名はおまえが教えたがらないんだろう」
(KP情報:本名を聞きたがった場合、「……そうだな、おまえが信用に足るヤツだとわかれば教えてやってもいい」と言う。エピローグで教えます。)

・なにをしにディー・ナインに来たのか
グレイス「仕事だ。ディー・ナインの周辺調査を任されてな」
「依頼人は黒瀬織葉という男だ。どうやら現在のディー・ナイン上層部について気がかりなことがあるらしい」
<アイデア>または<知識>
成功→黒瀬織葉とは、基地内にある孤児院の院長であることを思い出す。

話していると、あなたのもとにカルミアから通信が入る。

カルミア「お疲れ様です、PC。本日は大きな戦闘もありましたし、そろそろ休まれてはいかがでしょうか?」

グレイス「俺たちはしばらくここに世話になるだろう。連中にとっては不安材料だろうしな」
「警備員が許可を出すかは別の話だが、K-9と仲良くしてやってくれ」
K-9「え?……いや、仲良くする必要はないと思いますが」
グレイス「友達ができるチャンスだぞ?」
K-9「………そうでしょうか……」

・友達になろうよ~
K-9「……まあ、おまえが嫌じゃなければ……、そう、悪い気もしないな」

そう言って少しだけ表情が柔らかくなっているのが見える。



あなたは自室に戻り、体を休めることに専念する。


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