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No.3

【CoC】赤い箱庭


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クトゥルフ神話TRPG 6版 『赤い箱庭

【概要】
クトゥルフ神話TRPG6版
人数:1人(KPCとのタイマン/あるいはソロシナリオ)
時間:1時間~RPで伸びる
推奨技能:目星/聞き耳/アイデア
ロスト率:低
他:KPCをNPCに変更することができる。所謂うちよそシナリオ。
年下KPC×年上PC、恋人同士想定。
新規・継続どちらも可能。改変すれば恋人じゃなくても通過可能。

PC条件:なんでもいけるかも。でもKPCを好意的に思っていると遊びやすいかもしれません。
KPC条件:PCに危険が及べば迷わず助けに行ける。


突如として意識が開ける。
あなたは街中の真ん中に立ち尽くしていた。
通り過ぎゆく人々を見ながら、ふと気づく。
あなたは自分が何者なのか、思い出せない。

TALTO版
BOOTH版
※どちらも内容は同じです!遊びやすいサイトで遊ぼう

本作は、「株式会社アークライト」及び「株式会社KADOKAWA」が権利を有する『クトゥルフ神話TRPG』シリーズの二次創作物です。

Call of Cthulhu is copyright ©1981, 2015, 2019 by Chaosium Inc. ;all rights reserved. Arranged by Arclight Inc.
Call of Cthulhu is a registered trademark of Chaosium Inc.
PUBLISHED BY KADOKAWA CORPORATION 「クトゥルフ神話TRPG」「新クトゥルフ神話TRPG」


ーーーーー

※以下、KP情報

【キャラクター】
PC | ミ=ゴによって実験体にされた被害者。KPCの精神世界へと放り込まれてしまう。
KPC(現実世界) | 本人は気づいてないが、ミ=ゴによって実験体にされた被害者。脳を弄られたわけではないが、シナリオ開始から数日前にSANを10持ち去られて、精神世界を創造された。NPC名は斎藤 宗介(さいとう そうすけ)
KPC(精神世界) | KPCの精神を体現しているので、本来の願いである「PCと二人きりになりたい」という欲望がそのまま表れている。自我が芽生えてしまったので、現実世界のKPCのことが嫌い。
研究員 | ミ=ゴ。

【KPCをNPCに変更する場合】
斎藤 宗介(さいとう そうすけ) 44歳/男性
公開可能NPC。
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【真相】
シナリオ開始から数日前、KPCはミ=ゴによってこっそりSANを持ち去られてしまう。そのSANを利用しKPCの精神世界を創造し、その中に第三者であるPCが入っちゃったらどうなっちゃうんだろう!?みたいな実験をしていた。
そしてシナリオ開始から1日前、PCはミ=ゴによって誘拐されてしまう。現実世界のKPCはもちろん必死になり探し回り警察にも通報し、誘拐する際にミ=ゴが不手際によって残した証拠から研究施設を特定する。
END1では警察の人たちと共に研究施設へ突入し、KPCは無事PCを救出できたのだった。

精神世界のKPCは削除されることになるが、自我が消去される寸前まで孤独に精神世界を過ごすことになる。
最期までPCのことを想い、PCの幸せを願っていた。

ーーーー

【シナリオ本編】

突如、視界が開ける。
今まで意識が落ちていた感覚すらなく、ただ急に電源を入れられたかのように、あなたの意識は起動した。

あなたは見知らぬ街中に立っている。
道行く人々は道の真ん中に立ち尽くすあなたに見向きもせず、ぶつかりもせず、避けて歩いていく。

ここはどこだろうか。そう考えると同時に、恐ろしいほどの不安があなたを襲う。

ーー自分が何者なのか、わからない。

名前、年齢、生まれ、家族。なにも覚えていない。
自分の顔すら覚えていない。
SANc 1/1d3

途端、自身が人間なのかすら怪しくなる。
恐ろしくなって手のひらを見つめ、顔を触れば、人間の形状をしていることは把握出来る。

<目星>
成功→近くの店の窓を見れば、自身の顔を把握出来る。
安心感からSAN+1

【探索可能箇所】
道行く人々/お店/車

・道行く人々
あなたが声をかけても反応がない。
それどころか、触れようとすると体が透けて通り抜けてしまう。
SANc 0/1

・お店
どこもドアが固く閉まっている。
自動ドアも、あなたを認識することはない。

・車
一際目立つ、赤い塗装の車を発見する。
特別色鮮やかに見えるそれに、あなたは興味を引かれる。

近づく→
KPC「気になりますか?車」
突然後ろから声をかけられる。
そして後部座席のドアが勝手に開かれ、後ろから車の中へと押し込まれる。

中に押し込まれれば、後ろにいた男も後部座席へと入ってくる。
そのままドアを締められ、車内はあなたと男の二人きりになった。

【探索可能箇所】
ドア/KPC

・ドア
あなたが座っている側のドアを開けようとしても、ガチャガチャと音が鳴るだけで開かない。
窓は黒いシートが貼られていて、外の様子は見れない。外からも中の様子は見えないだろう。

・KPC
あなたの様子をじっと見ている。

・誰?
KPC「……俺のこと、憶えてないんですか?」
「KPCですよ」
「あなたの恋人です」
そう言ってKPCは口元に笑みを浮かべる。

<アイデア>または<心理学>
成功→そう言われれば、目の前の男に安心感のようなものがある。
失敗→実感が湧かない。そう言われてもやはり憶えがない。

質疑応答やRPができる。

・ここは何処?
KPC「××市の商店街ですよ」
<知識>
成功→知っている地名だ。
失敗→あまり聞き馴染みがないが、知らない地名なのだろう。
(KP情報:KPCが適当言ってる地名です。存在するかも、しないかも)

・自分(PC)は誰?
KPC「PCさんですよ」
「(PCの職業)、(PCの年齢)、(PCの性別)」
「……ご自分のことを憶えてないんですか?」
「……」
「……まあ、俺のことも憶えてなかったみたいですからね」
「記憶喪失ってやつでしょうか」

ある程度RPしたところで<目星>
成功→一瞬、あなたの見ている世界が車内からどこかの病室に変わる。

続いて<聞き耳>
成功→外が騒がしい。怒鳴り声や悲鳴などが遠くに聞こえる。

・外に出たい
「……何故?」

・外が騒がしいから
「聞こえませんよ。なにも」

<聞き耳>
成功→声が大きくなっていく。近づいてきているような。
更に、あなたの名前を呼ぶ声も徐々に聞こえてくる。

<アイデア>
成功→あなたの名前を呼ぶ声が、KPCのものであるとわかる。

突如として、目の前の光景が歪む。
目の前にいるKPCが、得体の知れない存在のように思えてくる。

KPC「駄目ですよ」
「こっちを見て」

KPCの両手があなたの頬を包む。
目の前の男は優しく笑みを浮かべ、あなただけを見つめている。

KPC「俺だけを見てください、外なんか見ないで」
「俺のPCさん」

【エンド分岐】
<POW*5>を振ることで目の前にいるKPCを振り払うことができる。
PLが望むなら成功するまで振り直しが可能だが、振り直す毎にSANを-1する。

・<POW*5>に成功した
あなたはKPCの手を振り解く。

KPC「……どうして」

KPCは酷く傷ついた表情を浮かべる。

KPC「……」
「……そうですよね。所詮、俺は作り出された存在だ」
「本物には遠く及ばない」
「……でも、」
「……それでも、俺は……」
「俺という存在は、あなたを愛している」
「……さよなら、PCさん」

KPCは優しく微笑む。あなたの手を名残惜しそうに撫でる。

KPC「PCさん!!」

目の前にいるKPCからではなく、どこからかKPCの悲痛な叫び声が聞こえた。
車のドアに手を掛ければ、それは開く。
その先の世界は黒く塗りつぶされている。足元すら覚束ない。
KPCの声が聞こえたほうへと走れば、徐々に周囲が明るく照らされていく。
あなたは光へ手を伸ばす。
暖かい温度が、あなたの手を包んだ。


*


目を開く。
真っ白な天井――だけではなく、目の前にはあなたの恋人であるKPCが息を切らし、心配そうな表情であなたを見下ろしていた。
あなたが目を覚ましたことに気づけば、KPCは心底安堵したように息を吐く。
あなたは自分のこと、KPCのことなどを全て思い出すことができる。

KPC「PCさん……、よかった……」
「ここは、所謂違法的な研究施設らしくて……」
「あなたはここの研究員に誘拐されて、実験体にされてたんです」
「どういう実験に付き合わされてたかはわかりませんが……」
「なんとか見つけ出して、警察の人と共にここまで来たんです」
「研究員は全員逮捕されたので、もう大丈夫ですよ」

あなたはKPCの話を聞き、仕事帰りに見知らぬ数人に囲まれ誘拐されたことを思い出す。
身体や脳の心配をするのであれば、特に違和感や異常は見当たらない。

(KP情報:最後のRPができる。RPが終わったらED描写!)

あなたはKPCと共に施設を出る。
警官があなたを保護し、多少の取り調べを終えた上で、一週間ほど入院することになった。
その間、KPCが毎日お見舞いに来てくれた。あなたの無事を喜び、元気になったらまた出かけようと笑顔を浮かべる。

研究施設は解体されることになった。
研究員の一人が供述した内容によれば、一人の精神世界に第三者が入り込むという実験をしていたらしい。
研究施設は解体され、あなたたちは日常生活に戻っていくことになるだろう。


END1
両生還

生還報酬
1d10 SAN回復




・<POW*5>に失敗した
KPC「ああ、よかった」
「俺を選んでくれるんですね」

KPCは心底嬉しそうに微笑む。

KPC「好きです、PCさん」
「ずっとここに、二人だけでいましょう」
「愛しています」

うるさく頭の中で響いていた声が遠ざかっていく。
KPCの嬉しそうな顔を見たら、そんな声などどうでもよくなっていった。


END2
PCロスト、KPC生還


ーーーーー

【あとがき】
精神世界、だ~~~いすき!畳む

1PL,タイマン

自作発言・二次配布禁止